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2012-05-28 00:00
崩壊しつつある中国の現体制
藤井 厳喜
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締役
中国の現体制は確実に崩壊しつつあるようです。それには様々な証拠がありますが、現体制のエリートが外国に逃げ出そうとしているという事実を取り上げてみたいと思います。一国の体制、特に独裁体制が崩壊する時には、誰よりもその国のエリート達が海外に逃亡を試みます。この事は、洋の東西を問わず、普遍的な現象のようです。ただし、日本は例外のようですが…。
2月22日付のウォール・ストリート・ジャーナルでは、2011年11月に国営大手銀行などが実施した中国の富裕層の調査結果を発表しています。それによると、1000万元(およそ160万ドル=約1億2800万円)以上の資産をもつ約96万人の国民のうち、60%が「移住を検討中か、それに向けた具体的準備を行なっている」ことが明らかになりました。移住希望先は、第1位がアメリカで、第2位がカナダ、第3位がシンガポール、第4位がヨーロッパだそうです。移住希望の理由としては、(1)子供の教育、(2)大気汚染、(3)食品の安全性、(4)経済的安定性が挙げられています。
アメリカ移民企画局によれば、2011年には、約3000件のEB5プログラムの申請がありました。EB5というのは、投資家に与えられる永住権ビザのプログラムのことです。100万ドルをアメリカに投資し、10人以上の雇用を創出する人に与えられるビザです。2011年に、EB5ビザへの申請件数の内、78%が中国からのものだったそうです。EB5プログラムへの応募者は、2007年から2011年の4年間で10倍になっています。そのほとんどが中国からの申請のようです。更に、中国のエリートが体制崩壊に備えて、いつでも外国に逃げる準備をしていることを表す数字があります。2012年3月12日付博訊新聞網によれば、全人代委員のうち、57.47%が外国のパスポートを所有しています。政治協商会議のメンバーの76.77%が、外国のパスポートを所有しています。
博訊新聞網の同記事によれば、この数字さえ控えめなものであり、局長以上の共産党高官のうち、85%が外国のパスポートを保有していると伝えています。これらの数字は、中国共産党規律委員会のデータだそうです。現在の中国を高度成長時代の日本に例える人がいますが、これは全くの誤りです。日本の高度成長時代には、日本の富裕層でも、政治的エリートでも、海外に逃げ出す準備をしている人などは、全くいませんでした。中国のエリート自身が、現体制が如何に危ういかをよく知っているのです。現体制の崩壊が近いことを証明する、これ以上の証拠はないでしょう。
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