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2006-10-13 00:00
藪をつつくな(靖国問題)
角田勝彦
団体役員
10月4日付けの鵜野公郎氏の投稿「外交の『入口』と『出口』」論を興味深く読ませていただいた。ご趣旨は判るが、私は「日中、日韓は経済的に密接な関係を築いており人の往来も多く、政府関係の如何にかかわらず、これら隣国との関係が揺らぐことはない」とのご認識には現実論として同意できない。関係は悪化してきた。中国が、安倍新政権発足の機会に、靖国不参拝の約束という条件に固執せず訪中を受け入れたのも関係改善を期待したためである。
(米国に仁義を切った上での?)安倍新総理の訪中・訪韓は、関係改善第一歩としての意味(たとえば「戦略的互恵関係の構築」の合意)のほか、北朝鮮核実験の暴挙もあり、具体的意味も持った。成功と評価できよう。問題は今後である。とくに「政治的障碍」として懸案にされた靖国参拝と歴史認識の問題である。基本的拙論は8月21日付けの寄稿「靖国問題-土俵が違う」で述べたが、安倍訪中・訪韓のあとマスコミを含む左右・内外の各方面に要請したいのは、藪をつつくなということである。
今回の対応を見ても、安倍新総理の「行くか行かないか、行ったか行かなかったかは言わない」との表明に対し、中国が「見ぬが仏」を決め込むのは無理にせよ、「毛を吹いて傷を求める」の愚を避けることは期待できよう。今次訪問で年内に開催されることが合意された有識者による日中歴史共同研究の会合が合意に達するとは予想できないが、それは当たり前のことで、騒ぎにはならないだろう。安倍新総理が政教分離に反するほど賑々しく行動することはないとしても、問題はやはり靖国参拝にある。騒げば騒ぐだけ近隣関係是正が阻害される。たとえば北朝鮮の脅威には各国が協力して対処しなければならない。自分の歴史認識はさておき、靖国論議はしばらく控えようではないか。
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