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2012-06-18 00:00
(連載)アジア太平洋との連携強化を目指す中南米(1)
角田 勝彦
団体役員
最近政情も安定しているせいか、あまり世間の関心を引かない中南米で、アジア太平洋との連携強化を目指す新たな動きがあった。政府はTPPとの関連もあり、対応に怠りなきよう中南米との関係強化にいっそう努めるべきである。
中南米33カ国は4.9兆ドルの域内総生産と5.9億人の人口を有し、世界経済が低迷するなか2010年には約5.9%の経済成長率を達成し2011年も約4.3%の成長が見込まれるなど着実な経済成長を実現し、域内総生産がASEAN(東南アジア諸国連合)の2.5倍になるなど世界経済における存在感を高めている。レアメタルを含む鉱物・エネルギーや食料の生産地としても注目されている。民主主義と市場経済の浸透により国際社会での発言力も増している。伝統的に強い友好関係を持つ日本との関係では150万人の中南米在住の日系人及び約40万人に及ぶ日本に在住する日系人等を通じる人的絆もある。
中南米諸国は歴史的文化的に多くの共通性を保持し、私見だが統一体にならなかったのは相互の対立というより地理的広大さを主因とする。そのため、近年でも、米国・カナダをメンバーに含むOAS(米州機構)は別として、ラテンアメリカ統合連合(ALADI)、中米統合システム(SICA)、南米南部共同市場(MERCOSUR)、南米諸国連合(UNASUR)、中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)など多くの政治的又は経済的統合が企画されてきた。最近では、「北方の巨人、米国」を除いて中南米諸国のみでまとまろうとする動きが目に付く。
問題は、これらの組織の多くが鳴り物入りで始動するものの、障害にくじけて有名無実になりがちなことである。加盟国が自国に犠牲を求められると対応に消極的になるのである。そのなかで本年6月8日発足したメキシコ、コロンビア、チリ、ペルー4カ国の経済共同体「太平洋同盟(AP)」(コスタリカとパナマがオブザーバー参加)はひと味違うのではないかと注目を集めている。我が国でも日経はじめ各紙がかなり大きく報じた。(つづく)
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