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2012-06-28 00:00
(連載)再生可能エネルギー技術の革新に期待する(1)
角田 勝彦
団体役員
6月22日に閉幕した「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)は、一応、環境保全と経済成長を両立させる重要性を確認した成果文書「我々が望む未来」を採択できたが、1992年の国連環境開発会議(地球サミット)で「気候変動枠組み条約」「生物多様性条約」「砂漠化対処条約」の環境3条約が署名開始などされたのに比べると、最大の焦点だった「グリーン経済」についても、世界共通の移行の工程表策定ができずに各国の自主的取り組みに委ねることになったように、具体性に欠けたと言わざるを得ない。
脱原発依存を目指す我が国は、省エネ技術に加え再生可能エネルギー技術の革新に努めることにより「グリーン経済」移行の先頭に躍り出るべきである。「グリーン経済」とは資源浪費と自然破壊の上に立つ従来の「ブラウン(茶色)経済」から、石油など化石燃料への依存度を減らし、環境関連産業を育成しながら低炭素社会へ転換していこうという考えである。福島第1原発事故以降は、さらに脱原発依存の主張も加わっている(ただし化石燃料への依存度を減らすためには原発が必要との考えも強い)。
地球サミット以来、各国は「共通だが差異ある責任」を原則に対策を進めてきた。環境破壊を招いたのは先進国の経済活動であり、環境保護について先進国は途上国より重い責任を持つという考え方である。先進国だけが温室効果ガスの排出削減義務を負った京都議定書はその具体化である。リオ+20では日本など先進国が「全ての国がグリーン経済移行を目指すべきだ」と主張し、貧困解消のため開発を優先する途上国は「経済成長の足かせになる」と反発して「移行にはまず資金援助が必要」と主張し、財政難を背景に資金拠出を拒む先進国と折り合いがつかなかった。中国は米国を抜いて世界一の温室効果ガス排出国になったが、6月20日のリオ+20演説で、温家宝首相は、自国を「大きな途上国」と位置付け、先進国が責任を果たすべきだとの姿勢を崩さなかった。
かくして191カ国・地域の政府代表団や市民グループら約4万5400人が参加し、史上最大規模となったリオ+20で、世界全体で「グリーン経済」を目指す具体的な目標や施策は決めることができず、各国の自主的な取り組みに委ねられる形となった。なお20日の政府代表演説で、玄葉外務大臣は、(1)「環境未来都市」(いわゆるスマートシティなど)の世界への普及、(2)世界のグリーン経済移行への貢献、(3)災害に強い強靱な社会づくりの3つを柱とした「緑の未来イニシアティブ」を表明し、3年間で60億ドルの途上国支援を表明した。(2)については、我が国の優れた再生可能エネルギー技術を活用して各国のグリーン経済への移行を支援していくため、今後3年で1万人規模の緑の協力隊を編成して途上国の人づくりに協力するとともに、今後3年で30億ドルの支援を行う旨表明した。(つづく)
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