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2006-10-18 00:00
北朝鮮「核」危機解決は簡単至極
吉田康彦
大阪経済法科大学客員教授
北朝鮮の2回目の核実験が近いとされている。必ず実施するだろう。理由は、10月9日の1回目の実験が失敗に終わり、実験が成功しない限り核弾頭製造は不可能、抑止力を備えたとはいえないからだ。昨年5月訪朝した際、北朝鮮政府高官が「プルトニウムを材料にする限り実験は不可欠だ。いずれ実施する」と言明していた。もう1つの理由は、北朝鮮が圧力には決して屈せず、初志を貫徹するまで絶対に頑張る国柄だからだ。国柄というより金正日体制の本質というべきだろう。監視と密告で反体制派を押さえ込み、言論の自由のない国であれば、初志貫徹も不可能ではない。「瀬戸際外交」の成功には自信をもっている。
ただし目指すは、核保有国として東アジアに君臨し、たとえば日本を核攻撃するなどは夢想だにしていない。米国が怖くて仕方ないのだ。対米恐怖心は訪朝し、反米スローガンに満ちた現地を見ないとわからない。金正日総書記の眼中には米国しかない。国連安保理決議なども眼中にはない。北朝鮮の体制存続を保証できるのは、中国ではなく、米国なのだ。北京の6カ国協議などは茶番にすぎないと思っている。その証拠に、ブッシュ政権は昨年9月、共同声明に署名しながら間髪を入れず金融制裁を課したではないか、と北は主張する。
とすれば、核開発、核実験、核保有とエスカレートする金総書記の中央突破戦略を食い止め、変更させられるのはブッシュ大統領しかいないことになる。そのブッシュ氏は「米朝二国間交渉はしない」と繰り返している。表向きの理由は「クリントン政権が騙されたから、その二の舞いは踏みたくない」というのだが、ホンネは金正日が大嫌いで、相手にしたくないのだ。それで北東アジアに緊張が走り、一触即発の危機が迫るというのでは、われわれにとって迷惑千万ではないか。11月7日の中間選挙を控えて、米民主党は二国間交渉を呼びかけている。金正日氏は民主党に追い風を送ろうとしているのだ。筆者は北朝鮮の核実験にも核保有にも反対である。ブッシュ大統領よ、直接対話せよ。
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