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2012-07-10 00:00
政党の条件を考える
船田 元
元経済企画庁長官
「政党」であるための条件すなわち政党要件は、公職選挙法と政治資金規正法に次のように定められている。(1)所属国会議員が5人以上存在する。(2)直近の国政選挙で得票率が2%以上になる。このいずれかをクリアーすれば政党となることができるが、これはあくまで必要条件であり、十分条件としては次のようなことが考えられる。(1)立党の精神や基本スタンスを表現する、綱領や宣言などを持っており、所属党員にはこれらの遵守を要請し、党員もこれに従っている。(2)国政選挙や地方選挙において、公約やマニフェストを発表し、これに賛同し実現する候補者を出馬させ、応援する。(3)議会活動や社会活動において、立党の精神や公約を実現すべく、所属党員がまとまって行動する。
これらの条件に対して、現在の民主党がそれを満たしているだろうか。答えは「否」である。前回の衆議院選挙で掲げたマニフェストのほとんどが実現できていないか、撤回されている。政党の基本政策である「税と社会保障の一体改革法案」の衆議院本会議採決では、民主党所属議員の57名が反対し、15名が棄権もしくは欠席している。誰が見ても政党の要件を満たしているとは思わない。
民主党が政党でありつづけるには、少なくとも反対した57名に対して、除名や離党勧告という厳しい処分を実行し、政党としての最低限の条件をクリアーすべきではないか。そうしなければ民主党は議員の「寄り合い所帯」でしかない。今回の処分は党の分裂を恐れるがあまり、極めて曖昧なかたちとなり、「寄せ集め」の状態が解消されていない。民主党内ではこれからも「ものが決められない」状況が続くことになる。
さらに採決を棄権あるいは欠席した15人の議員には、厳しい世論が待っている。2つの勢力の間に挟まって、悩みに悩みぬいた結果の行動かもしれないが、国民有権者から見れば、彼らから付託された責務を放棄したことになる。反対であってもきちんと意思表示をした議員のほうが、むしろ国民からの信頼はつなぎとめられるのではないか。
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