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2012-07-13 00:00
(連載)円元直接取引開始と在日中国大使館スパイ暴露(2)
藤井 厳喜
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締
野田内閣の内閣改造で、森本敏拓大教授が防衛大臣に就任した。この背後にも、アメリカの影響力が垣間見える。森本氏は、外務官僚出身の実務家であり、米主日従の日米安保体制の推進者である。自衛隊にも在籍したが、短期間であった為、彼の考えは制服組を代表しているとは言い難く、むしろ外務省や防衛相内の背広組を代表していると考えることが出来る。現実の日米関係の枠組みの中で、実務的に課題を解決してゆこうという能吏タイプの人間である。アメリカにとっては最も付き合いやすいカウンターパートであると言えよう。
鳩山首相と菅首相が日米関係をボロボロになるまで破壊してしまった後では、日米関係の修復の為には、適当な人材配置である。森本防衛大臣誕生を、日本の国益の為に歓迎したい。筆者としては長期的には日本の立場をアメリカに対して、より対等に近い形で高めてゆくような日米同盟関係が望ましいと考えている。しかし、今やそのような贅沢をいっている暇はない。たとえ「従米的である」との批判を受けるにしても、森本防衛大臣によって日米関係が少しでも修復される事を期待したい。
米中の対立関係が激しくなる一方、今、中国に経済的に急接近している国がある。それはドイツである。メルケル独首相は、今春、訪中した際に「独中関係は、戦略的提携関係」と発言している。また、5月23日、ドイツのハノーバーで開催されている産業見本市に出席した中国の温家宝首相は、2011年、1900億ドルであった両国間の貿易規模を、2015年までに2800億ドルに拡大したいと発言した。更に同首相は、独中の経済関係の更なる戦略的発展を訴えている。
これを裏付けるように、独フォルクスワーゲン社は、4月23日、新疆ウイグル自治区のウルムチに新工場を建設すると発表した。また、同社は1991年に設立した第一汽車集団との合弁事業を更に25年延長する事に合意したことに加え、同社の最高級セダン「フェートン」の中国における専用店舗を9か所から18か所に倍増させる計画も発表した。これと競うように、独BMW社も、中国での生産台数を従来の10万台から30万台に、3倍増する計画を5月24日に発表している。中国共産党の一党独裁体制が、今、音を立てて崩れようとしているこの時に、このような決断をするとは誠に愚かな戦略である。共産党支配が崩壊する時に、ドイツ産業界は非常に大きなダメージを被る事になるだろう。(おわり)
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