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2012-08-22 00:00
竹島問題への取組みは、時節の到来を待て
松井 啓
元駐カザフスタン大使
竹島問題は日本と韓国の関係全体からみれば、そのごく一部である。日本の立場は韓国及び国際社会に堂々と主張すべきであるが、韓国大統領としての長期的・大局的視野に欠けた、人気挽回のための一時的・個人的と思われる言動には振り回されるべきでない。お互いに売り言葉に買い言葉になり、国民感情や敵愾心を煽って、一触即発の状態になることは、避けるべきである。
従って、韓国での大統領選挙が済み、次期政権の帰趨が落ち着くまでは、禍根を残すような拙速な措置を取ることは控えるべきである。更に、日本側も現在の政治状況では長期的大局的見地から政策を決定する余裕もないので、政局が落ち着くまで、あと半年ぐらい待ち、環境が整ってから仕切り直しをするべきである。もちろんそれまで両国関係は凍結すべきではなく、将来柔軟に対応できる余地は残しておくべきであり、二国間、多国間、国際会議などでの接触の場は閉ざさずに開いておくべきである。
その間に、政府、政界、経済界、有識者、友好団体、文化交流団体、芸能界、スポーツ団体、NGO等のパイプを通じて、次のような認識を再確認するよう働きかけに努めるべきである。
(1)日本と韓国は米国との同盟関係を維持し、自由と民主主義、市場経済という価値観を共有し、冷戦終了後も経済発展を遂げてきた国であり、露中米3強国に囲まれ、その中でバランスを取って発展していかなければならない一種の運命共同体である。
(2)両国は、アジアで、資源、エネルギー、食糧、災害情報や対策、安全航行、気候情報、経済協力などの分野で協力していくことができ、これは両国の共通益、アジアの地域益であり、国際益にもつながる。
(3)東南アジア諸国は中国の台頭を懸念し、この海域を平和、安全、協力の海とすることを望んでおり、その中で指導力ある日本と韓国が反目しあうことを決して望んではいない
(4)韓国は、経済大国となったからには、国際社会での責任ある一員としての自覚と行動を要求されている。国際社会の法や原則に従うことは当然のことと期待されている。
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