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2012-08-25 00:00
(連載)尖閣問題は時間との勝負、国際司法裁判所の活用も(1)
北原 二郎
会社員
竹島・尖閣問題に関し、昨日(8月24日)野田総理の記者会見が行われ、日本の立場が明確に打ち出された。ただ、竹島問題をめぐる韓国へのこれまでにはなく強いトーンでの抗議に比較し、尖閣問題をめぐる中国への対応は、従来からの外務省見解をそのまま踏襲したものであり、物足りなさを感じたのは私だけではあるまい。ここで、尖閣問題に関する日本の対応策について、私の考えを述べてみたい。
もちろん、現在尖閣諸島は日本の実効支配下にあり、中国を刺激する必要はないとの判断もあり得よう。米国が大統領選挙を控え積極的に関与できず、日本も衆議院選挙をめぐる駆け引きが続いている状況では、積極的な戦略を打ち出すことが出来ないであろうことも理解できなくはない。しかし、中国が尖閣諸島をチベットや新疆ウイグルと並ぶ「国家の核心的利益」とみなし、中国の領土であると主張している今日、これまでの外務省の「日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」との見解を繰り返すのみでは、本問題は解決しないのではないだろうか。むしろ10年先、20年先のパワー・バランスの変化を考えた時、中国に対する日米の優位は誰も保障できず、交渉のテーブルに着かずに、無為に時間稼ぎをする現在のやり方は、中国を利するのみである。
尖閣諸島をめぐっては、防衛拠点の構築を含めた実効支配の強化とならび、この地が日本の領土である根拠を、中国の主張を一つ一つ論破するかたちで、国際社会に向けて発信すること、さらには「尖閣諸島は日本の固有の領土であるが、中国側が同意するなら、日本は国際司法裁判所の判断を仰ぐこともやぶさかでない」との主張もすべきであろう。なお、中国は『China Daily』等の英字新聞を使って、尖閣諸島問題のみならず、竹島をめぐる韓国の反日デモも盛んに報道して、国際世論を味方につけるための言論戦を血眼になって展開している。
竹島問題にヒントを得て、中国側が国際司法裁判所への提訴を提案してくる事態は考えられないだろうか。その際には、野田総理の発言をもじって「日本は堂々と(国際司法裁判所への提訴に)応じよ」と主張しないとも限らない。もちろん、これは、日本が従来からの見解に基づき提訴を拒否することを見越してのブラフであるが、そうしたくせ球が来ないとも限らない。これまでの外務省見解は「尖閣諸島は、日本固有の領土であり、領土問題は存在しない。よって、国際司法裁判所への提訴は、領土問題の存在を認めることになる(ので、行わない)」という内容であったが、これに拘泥し提訴を拒否するなら、国際世論は中国側についてしまうだろう。仮にブラフでも中国がそのように要求して来たなら、堂々と受けて立つべきである。(つづく)
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