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2012-09-15 00:00
(連載)成長戦略にもっと関心を(1)
角田 勝彦
団体役員
民主党代表選(9月21日投開票)と自民党総裁選(26日投開票)、その後「近いうち」の解散総選挙や領土問題などに世の関心は集中しているが、2020年までの日本の成長戦略の基礎となる平成25年度予算作成作業が始まっている。少子高齢化とデフレ(失われた20年)の日本にとって、成長戦略の強化は喫緊の課題である。世界経済の先行きに不安があるなか、経済・経済協力強化は日本の国際的地位向上にも直結する。14日決定された「30年代に原発稼働ゼロ」のエネルギー戦略を含め日本再生と成長の戦略に、与野党の政治家のみならず広く国民が関心を寄せるべきだろう。ともかく民の活動無くして、再生と成長はない。公の戦略は出発点に過ぎないのである。
消費増税を定める社会保障・税一体改革関連法は8月10日成立した。赤字国債を発行するための特例公債法案は、野党の反対で廃案となった。予算の裏付けとなる財源を担保できず、政府は地方交付税交付金の配分など予算執行の一部抑制に踏み切ったが、9月12日、野田首相は、「切れ目のない経済対策」が必要だとして景気対策のための2012年度補正予算を編成する方針を表明した。但し、復興関係では金はある。労働力と資材の供給が不足して、現在までの16兆円の6割しか使われていない由である。
9月7日には財務省への各省庁からの2013年度予算概算要求が締め切られている。一般会計予算と東日本大震災復興関連予算を合わせた要求総額は約102兆円で、4年連続で過去最高を更新した。復興関連予算4.5兆円と一般会計予算中の国債費24兆6455億円(12年度予算に比べ12.3%増え過去最大の要求額)及び自然増8400億円を含む社会保障費30兆円は事実上別勘定として、予算概算要求の中で特別扱いされたのは、成長(「日本再生戦略」)関係要求である。
世界最速の少子高齢化とデフレ(失われた20年と東日本大震災からの復興)の日本にとって成長戦略の強化は喫緊の課題である。また、せっかく決まった消費税率引き上げも、景気回復を実施の条件としている。実際、税率を3%から5%に引き上げた1997年4月には、消費増税ほかの国民負担増(8.6兆円)とアジア通貨危機の影響からGDPがマイナスになり、国の税収も97年度から99年度にかけて53.9兆円から47.2兆円へ大幅に落ち込んだ。不況下の増税は財政再建に逆効果である。(つづく)
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