ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2012-10-03 00:00
自公は、憲法に基づき臨時国会召集を強行せよ
杉浦 正章
政治評論家
見苦しいとしか言いようがない政権だ。ここに来て首相・野田佳彦と民主党執行部が解散先送りであの手この手を使い始めた。狡猾と言うより、小ずるいと言った方が適切な表現だろう。首相・野田佳彦が自ら呼びかけた改造後の党首会談を先送り。通常秋に招集する臨時国会も召集しないという動きまで生じている。幹部らが「臨時国会見送り」説を唱え始めた。このまま日を送れば、赤字国債発行法案が成立せず市場はパニックに陥り、日本売りが始まりかねない。ここまで来たら、自民、公明両党は憲法にのっとり、議員4分の1の要求で臨時国会の早期召集にこぎ着けるのが最良だ。野田をねじ伏せてでも、解散を実現させるのだ。今後の展開をシュミレーションすれば、党首会談が開かれるかどうかがまず問題となる。野田が党首会談開催を“じらし”始めたのだ。野田自身が電話で安倍に対して内閣改造後の党首会談を持ちかけたにもかかわらず、10月1日には幹事長・輿石東の調整に委ねる考えを表明した。当の輿石は、会談の時期について「いつと言う必要などない。また言うべきでもない」とにべもない。明らかに野田は、消費増税法案では軸足を輿石から外したものの、今度は全体重を輿石にかける方向に転換した。解散先送りと離党防止で、両者の思惑が一致したからだ。党首会談は与野党幹事長会談などを経ていれば、いつ開かれるか分からない状況になりかねない。
次に党首会談が開かれても、野田と自民党総裁・安倍晋三の立場は180度異なる。野田は、谷垣禎一が総裁を外れたのをよいことに、「近いうち解散」の表現をどんどん変え始めた。「そんなに遠くない将来」→「いずれの日には」→「解散には党首会談で私から触れない」と言った具合だ。間違いなく、首相たるものの食言が現実のものとなっているのだ。公党間の約束、国民への約束を臆面もなくひっくり返しているのである。これに対して安倍は、早期解散に追い込む姿勢に固まっている。3日付朝刊の朝日とのインタビューでは「近いうちとした約束を果たすと言わなければ、徹底的に解散に追い込む」と言明した。ただ若干の柔軟性も持たせており「私と野田さんが近いうちという言葉において常識ある範囲内でやるという認識を持つに到ることが大切。近いうちと言ったのが、8月8日。年内でも相当寛容」と述べたのだ。安倍は就任以来「年内」を口にしており、早くも譲歩に出た感じは否めないが、とにかく発言を“呼び水”として、野田を早期解散に追い込みたいのだろう。石破の方は「12月9日が大安吉日の投票日」と11月解散に固執している。
このように自民党はいまのところ硬軟両様の構えで解散への突破口を開きたい構えだが、最終的には臨時国会での強行策を視野に入れていることは間違いない。折から、11月末には、40兆円近い赤字国債分を埋め切れる手段はなく、同月末に財源が底をつけば、市場の混乱は目に見えている。ハゲタカファンドが「日本財政破たん」とばかりに日本売りに出て、金融もパニックに陥りかねない。それにもかかわらず副総理・岡田克也は10月2日、「審議のめどが立たなければ、臨時国会を開く意味が見いだせない。事前に意思疎通をして、開いたからには成果が出る国会にする必要がある」と述べて、臨時国会を召集しない可能性に言及した。官房長官・藤村修も招集しない可能性があることに言及している。
しかし、臨時国会を招集しなければ、それだけで日本売りとなる可能性も濃厚だ。政府が赤字国債発行法案成立を断念したと解釈されることは火を見るよりも明らかだ。これほど重要な政治のポイントはないのに、野田が国より党を優先させるとなれば、まさに鳩山由紀夫や菅直人を大きく上回る“首相失格者”となる。ここまできたら自民党は、強硬手段に打って出ることも視野に入れるべきだ。臨時国会の開会を強硬に迫るのだ。憲法第53条の後段は「衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会召集を決定しなくてはならない」と規定している。4分の1以上の要求によって召集された例は、2004年までに32回ある。要求があってからいつまでに召集を決定しなければならないかの期限を定めた条項がないため、通常国会が近い場合など状況により事実上見送りとなるケースもあるが、極めてまれだ。今回は期限切れを控えた超重要法案があるうえに、現段階なら通常国会まで日時があり、招集を拒否することはまず出来ない。もう最後の手段を講ずることも考えねばなるまい。もちろんマスコミは臨時国会まで逃げる野田に批判的であり、4分の1条項を使っても喝采するだろう。招集のうえ、赤字国債発行法案と定数是正法案成立を条件に、野田を解散に追い込むのだ。
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム