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2012-10-17 00:00
金子弘氏の「在外日本人学校生徒の安全は大丈夫か」にコメントする。
中山 太郎
団体非常勤職員
10月16日付の本欄への金子弘氏の投稿「在外日本人学校生徒の安全は大丈夫か」を読み、現在の日本人の一つの典型的な考えだと思った。これについて、コメントし、議論の一層の深化を求めたい。
グローバル化の時代にあって、いまや日本人子弟以外でも海外で生活する者は増えている。30-40年前には、海外で教育を受けるのは、限られた欧米の子弟がほとんどであった。そうした欧米人の子供が、日本での現地学校を修了後、ないし中途帰国後、日本語ができると言うことで、日本人学校への転入を求めるケースがあった。こうした場合、日本人学校側は、現地校との交流を目的に設立したシドニー、メキシコなどの一部の学校を除き、ほとんどの学校がこれを拒否していた。主な理由は、日本の税金を使用しているところに、外国人を入れられないというのだ。
確かに教員の派遣、人選などの学校の費用は、日本政府が負担している。しかし、その他の維持・管理・運営の費用は、現地の邦人企業が出している。そればかりか、現地の邦人企業は学校を動かす運営委員会に相当数の人間を出している。3年程度で交代する日本からの派遣教員は、いくら優秀でも、語学、土地勘の面で到底なしえない仕事が多々ある。日本国内における厳しい監視の目から解放されて、リクリエーション気分の教員さえいる。勿論、大使館、総領事館の担当者も全面的にバックアップしているが、主として民間人の手で動いているのだ。この実態を見れば、日本人学校の運営は、日本国内からそのまま持ち込んだような現行の学校諸規則を緩和し、在外日本人学校は在外日本人学校らしい、より自由度を高めた、私立学校としての性格を強めるべきだ。
邦人の安全確保については、そもそも根本から見直す必要がある。「平素から現地の情勢を的確に把握し、-ーーーー児童生徒の安全を確保する」との言葉は立派だが、実際は大変なことだ。途上国で混乱が起きた場合、他の先進国は軍の航空機を飛ばして、児童を含めた当該国人を救出する。それに比し、わが国は、あくまでも現地政府に安全確保をお願いするか(常識で考えても到底無理な話だ)、他の先進国に頼み込んで、その余地にもぐりこませてもらうしかないのだ。言葉だけで、日本人の安全の確保はできない。その根本を見直さなければならないのだ。
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