ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2012-11-11 00:00
大学設置基準改革だけでは不十分
金子 弘
日本学習社会学会会員
田中真紀子文部科学大臣の「大学教育の質が低下しており、なんとかしなければならない」という発言は、大学、大学院教育の実状を的確に捉えているものと考える。では、具体的にはどうすればよいのであろうか。その点について、以下に一つの私見を述べたい。
現状では、学士号は大学が、修士号、博士号は大学院が、それぞれ授与するものとされている。したがって、学士号、修士号、博士号の水準は、授与する大学や大学院が定めることになっている。結果として、学士号、博士号、修士号の学位の水準は、授与する大学、大学院の教育内容によって差がある結果となっている。
学位の水準が大学、大学院によって差がある理由は、大学、大学院が公開しているシラバス等を見るとご理解いただけるものと思うが、大学、大学院の開設授業科目の教育内容は担当する教員に任されていて、教科書の使用義務や検定もなく、どういった指導教員からどのような教育指導を受けたのかということには、統一的な基準がないまま放置されている。換言すれば、大学、大学院の指導教員の高度な専門性とそれに基づく教育指導能力は、システムとしては担保されていない。
したがって、教育の質を確保するためには、大学の学部や大学院の研究科を新設する際の認可を厳格化するだけでは不十分であり、既存の大学学部、大学院研究科において教育の質が保たれているのかどうか、ということを恒常的に審査する仕組みを設ける必要がある。そして、教育の質が保たれていない場合には、その改善を促し、その上で改善がなされない場合には、学科(大学学部の場合)、専攻(大学院研究科の場合)のような小規模な枠組みで「閉鎖」という措置を講じるようにすべきである。
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム