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2012-11-16 00:00
選挙後は“自民中心”で再編不可避
杉浦 正章
政治評論家
どうみても総選挙後の政界は極めて流動化する様相である。とりわけ自民党の復調がどの程度か、第三極、中でも日本維新の会の台頭が何処まで議席に反映するかなど、不確定要素が大きいのだ。しかし自民党が第一党を獲得するのは確実であり、自民党と公明党の連立政権の枠組みにどの党が参加するかが焦点となる。大きな流れとしては、自民党総裁・安倍晋三は自公民路線の民主党を選ぶか、「自公維」路線を選ぶかを迫られるだろう。極右の石原新党を選ぶことは、対中関係を考慮すればあり得ないし、あってはならない選択だろう。「離党したい奴は出ていけばよい」と首相・野田佳彦が漏らしているが、いまや野田の本心は、民主党を親野田勢力中心に固めたいくらいの心境かも知れない。確かに選挙後の政界再編をにらんだらその方がいい。ところが、今のところ寝返って離党するのは雑魚ばかりで、ジブリのアニメの悪漢みたいに顔ばかりがでかい元農相など、どうでもいいのしかいない。いまや民主党のがんと化している鳩山由紀夫や、支持率低下にだけ貢献している菅直人など、肝心な連中がなかなか離党しない。幹事長・輿石東に到っては、野田を差し置いて「総選挙の陣頭に立つ」のだそうだ。あの妖怪じみた輿石が陣頭に立ったのでは、ただでさえ減少する票が一層減ることが分かっていない。
この民主党内事情が選挙後の政界再編の構図に大きな影響をもたらすのだ。というのも自民党にしてみれば、自公両党で過半数をとれれば問題はないし、赤字国債も3党合意で予算と一体で処理の方向となった。ねじれ国会も前進しつつある。だから自民党にとって、自公政権への回帰が一番いいケースなのだ。しかし自公で241議席を上回れるかというと微妙だ。東京、名古屋、大阪のポピュリズムが衆愚の浮動票をかっさらえば、政権運営安定化のためにもう1党を引き込む必要が出てくるかもしれないのだ。一番良い流れは、自公民で比較第1党が首相を出すことで合意すればよい。政権は一番安定する。しかし問題は野田に、馬鹿丸出しの元首相、市民運動家の前首相、日教組の輿石などがついてくることだ。これらの顔を思い起こす度に、自民党は溜息が出てしまうだろう。連立を組もうにも、組めないのだ。消費増税で出来た自公民路線は、野田の解散の約束履行と赤字国債発行、「0増5減」両法案成立で一層強まった側面があるにもかかわらず、それは野田個人との関係と言ってもよい。民主党政権の迷走を招いた連中が一緒では、大連立も出来たとたんに揺さぶられる。あるとすれば、大連立でなく、政策ごとの部分連合の可能性の方が大きいあろう。しかし自公過半数割れの場合には、部分連合では政権基盤が弱い。
それでは第三極との連携または連立があるかどうかだ。第三極では維新が世論調査を見ても突出しており、民主、国民の生活が第一などを食い散らかして、政界に進出することは間違いない。公明党を上回る勢力となり得る。石原新党も、狙いは尖閣で発生した極右志向の浮動票であり、これに引っかかる衆愚も結構いる可能性があるから、馬鹿には出来ないのだ。石原は11月15日には、政界では賞味期限切れの河村たかしが率いる名古屋の減税日本と組む方針を発表したが、まさに政策無視の野合第一号だ。これが橋下徹を怒らせた。橋下は河村と政策の相違で決別状態にあるからだ。大言壮語の石原は「小異を捨てて大連合」と述べるが、簡単に言えば政界に出てきて「石原首相」に投票してくれと言うことだ。そのための野合路線であり、発言には何一つ核心になる政策がない。官僚支配反対など唱えても、何も言わないのと同じだ。
こう見てくると安倍の選択肢には、橋下との連携が脳裏に去来しているに違いない。総裁選後は発言を慎重にしているが、水面下では橋下と連絡を取っているといわれる。選挙後に「自公維」路線が浮上する可能性は否定出来ない。橋下が他の第三極と一定の距離を置いているのを見ると、自民との連携が視野にある可能性がある。しかし、究極のポピュリズムの橋下に引っかき回される政権はぞっとする。悪寒が走るのだ。いずれにしても、選挙後の政界は再編含みで推移する可能性が高い。冒頭述べたように安倍は、いくら自分が右寄りでも、中国を「シナ」と蔑視し、憲法破棄、核武装、徴兵制に日本を持っていこうとしている石原と組めば、対中関係はくしゃくしゃになることは理解しているだろう。もちろん中国の習近平政権はより一層の敵対方針を表明、安倍政権は関係打開の糸口を見出すことは不可能となる。新銀行東京の破たんでは都民1人あたり約11000円に達するツケを払わせ、反省の弁はゼロ。尖閣に火をつけて募金までしたが、国有化で宙に浮いたまま。これも責任を取らない。石原は政界復帰しても、陳腐極まりない小説・太陽の季節でナニで障子を破ったような愚行を繰り返すだけだろう。時代錯誤の暴走老人に投票しようとしている衆愚の浮動層は、もう少し真面目に国の将来と政治を考えるべきだ。
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