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2012-11-26 00:00
(連載)なぜオバマ大統領は再選を果たせたのか?(1)
中岡 望
国際基督教大学非常勤講師
大統領選挙は予想外の大差でオバマ大統領が再選を果たした。同時に行われた議会選挙では、下院は共和党が多数を占め、上院は民主党が過半数を維持した。さらに州知事選挙では共和党候補が圧勝した。アメリカ国民はワシントンの政治構造の急激な改革を望まなかったのである。極めて穏当な選択を行ったともいえる。以下、大統領選挙の分析を行う。
これから大統領選挙に関する様々な分析が行われるだろうが、オバマ大統領の勝利の要因を幾つか指摘しておきたい。その前に、ある意味では、後講釈かもしれないが、ロムニー候補は負けるべくして負けたのかもしれない。第1期で終わった大統領は4名いるが、最近ではカーター大統領とブッシュ大統領(父)がいる。カーター大統領に挑戦したのは、共和党のレーガン候補であった。また、ブッシュ大統領に挑んだのは民主党のクリントン候補であった。
特徴的なのは、現職の大統領に挑むには明確な政策と理念、さらにカリスマ的な魅力が必要なことである。レーガン大統領は保守主義を掲げ、大きな政府と福祉国家を批判し、反共主義を明確に打ち出した。クリントン候補も“ニュー・デモクラット”を旗印に民主党を中道寄りに導き、「大きな政府の時代は終わった」と、新しい民主党の理念を訴えた。だが、今回の大統領選挙では、ロムニー候補から、そうした明確なメッセージが聞かれなかった。経済政策も供給サイドの経済学の焼き直しを繰り返すだけで、明確な展望を開くこともできなかった。
これに対して、オバマ大統領は「変革には時間がかかる。それを実現するためにも再選が不可避である」と訴えた。2008年の大統領選挙とは違い、「希望」や「変革」という明確な政策メッセージを発しなかったが、その方向性は見えていた。「私と一緒に第2期政権で政策を実現しよう」という訴えは、超富豪で、庶民生活から遠い存在のロムニー候補よりも、有権者の心に響いたのかもしれない。(つづく)
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