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2012-12-04 00:00
(連載)選挙公約に見る尖閣問題(1)
角田 勝彦
団体役員
衆院選で、各党はさまざまな公約をかかげているが、中国は尖閣問題に神経を尖らせている。自民党は尖閣への公務員常駐の検討を公約に掲げたが、国内にも「強硬な行動に出る口実を中国に与えかねないので、慎重に検討すべきで、海上保安庁や海上自衛隊の体制を強める方が先決」との意見がある。尖閣問題は心理戦の段階に入ったようで、我が国は強固な日米同盟に基づく実効支配の段階的強化と国際広報(とくに本件は武力不行使の規範が大国により脅かされている問題であること)により中国に対抗すべきである。
12月4日第46回衆院選が公示され、12党がそれぞれの公約などを掲げて選挙戦に突入した。いわゆる第3極には、離合集散で最近成立し、公約もできあいの党が多く、民主、自民の二大政党でも、党内結束のための同床異夢の旗印に過ぎない公約が少なくない。そもそも民主党が懺悔したマニフェスト以来、公約などの信頼性は地に落ちたし、反対ばかりの公約では、未来がない。結局は「人」と「党」への「信」が1票の基準となるのだろう。
それでも国民の関心に応じて提示された多種多岐にわたる公約などのうちには、今後に大きな影響を及ぼすものが少なくない。脱原発も一例だが、ここで論じるのは尖閣問題である。これは国内のみならず、国際的にも関心をもって見られている。12月3日付人民日報は、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題で火遊びするな」との論評を掲載し、尖閣諸島の防衛強化などを掲げた各党の公約を批判した。同紙は「衆院選では対中政策を巡り、3大政党(民主、自民、日本維新の会)の党首が激論をかわしている」と指摘し、さらに「右翼政党は票集めのため、対中強硬策を打ち出し、故意に釣魚島の防衛強化を主張している」と、各党を批判した。
自民党は「尖閣諸島の実効支配を強化。公務員の常駐や、周辺漁業環境の整備」、民主党は「海上保安庁を中心とした警戒監視や警備体制を拡充・強化し、尖閣諸島をはじめ領土・了解の守りに万全を期す」と公約に掲げている(12月3日付日経まとめ)。日本維新の会は、明文で「実効支配力を強化する」と記述し、国際司法裁判所(ICJ)の活用を訴えているが、その是非はともかく、石原慎太郎代表の従来の言動から見て、その本音はさらに積極的と見られる。(つづく)
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