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2013-01-15 00:00
(連載)安倍内閣は「不戦外交」を展開せよ(1)
角田 勝彦
団体役員
最新の全国世論調査での安倍内閣の支持率(1月13日発表の読売調査で68%)は発足直後のもの(読売では65%)よりやや上昇している。バラマキや財源への懸念はあるが事業規模で20兆円超の緊急経済対策など、デフレ脱却に向けた施策を積極的に進めていることが高い支持を維持している主因とみられる。安全保障面で打ち出されている「防衛計画の大綱」と中期防衛力整備計画(2011~15年度)を見直す方針も、時宜を得たものと評価されている。
防衛予算増を含む防衛力強化もやむを得ないところだろう。不慮の武力衝突すら懸念される東シナ海の平和のために、もっと重要なのは外交(安保協力が主)面である。麻生副総理と岸田外相のアジア・豪州訪問を先駆けとする安倍首相の1月東南アジア訪問及び2月に予定される訪米で「安倍外交」が本格的に開始される。アジア外交の基本原則となる「安倍ドクトリン」もまもなく発表される由である。
重要なのは、安倍「価値観外交」の一環として「不戦外交」を展開すべきことである。不戦条約や国連憲章に明示されている紛争の平和的解決義務(武力による威嚇または武力の行使を慎む義務)について、できれば宣言や協定の形式で各国があらためて合意を発表することである。これはアジアの「不戦共同体」につながる考え方で、中国封じ込めではない。中国の参加はもちろん歓迎されるところである。逆に中国が参加を拒む場合は、その意図が疑問視されることになろう。
1月16日から19日まで安倍首相は就任後初の外遊としてベトナム、タイ、インドネシアを訪問する。麻生副総理は1月2~4日ミャンマーを訪れ、岸田外相は1月9~14日フィリピン、シンガポール、ブルネイ、オーストラリアを訪問した。最近、中国は東南アジアで援助や経済進出で存在感を増してきたが、海洋進出も活発化させ、南シナ海の島々を巡り、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシアとの間で領有権問題を起こしている。岸田外相は尖閣諸島を巡る問題など日中関係の現状を各国に説明し、13日シドニー市での記者会見で「(中国は)南シナ海でも様々な問題を抱えている。中国にどう対応するか、各国共通の課題だ」と表明した。安倍首相は13日のNHK番組でも、中国の海洋進出に危機感を抱いている国々と安全保障分野での連携強化を目指す意向を示している。日本政府はすでにオーストラリア、インドとは「安全保障協力に羹する共同宣言」に署名し、共同訓練などを実施しており、今後もこうした安保協力をさらに推進する方針と見られる。(つづく)
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