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2013-01-16 00:00
(連載)安倍内閣は「不戦外交」を展開せよ(2)
角田 勝彦
団体役員
当面の問題は尖閣である。中国は、「日本は第2次大戦の連合国が対日方針などを定めたカイロ宣言とポツダム宣言を無効にしようとしている」とか、「尖閣は中国に属してきた」など様々な恣意的主張を展開しているが、現在の中心目的は日本の実効支配の否定にある。
中国は、武力行使をしても安保理常任理事国として拒否権を発動し安保理の非難を免れ得ると考えているかも知れない。また、中国の主要メディアは今年に入って、「尖閣戦争」を想定した番組を連日のように放送している由である。中国軍戦闘機が1月10日、尖閣諸島北方の東シナ海で日本領空の外側に設けられた防空識別圏に突入したような事件を再度起こすかもしれない。しかし、さすがに、他国が実効支配している領土を武力行使で奪うこと(明らかな侵略である)には踏み切れないでいる。
これには日米安保条約の抑止力が働いている。米政府も議会も日本の実効支配下にある尖閣が安保条約の対象になる旨明らかにしている。リチャード・アーミテージ元米国務副長官は1月13日の読売新聞への寄稿で「私は、尖閣諸島をめぐる問題で不測の事態が起きないことを願っている。中国は我々に、尖閣諸島の領有権問題に関して米国が『中立』の立場にあることを評価する、といつも言っている。だが米国は、尖閣問題で特定の立場は取らないものの、米国の同盟国が、嫌がらせや抑圧、攻撃的な行動の対象になったときには、『中立』ではない。昨年10月、米国務長官の要請で日中両国を訪問した超党派代表団は、このことを明確にした」と、この立場を明らかにしている。
安倍首相の「価値観」外交は「自由、民主主義、基本的人権。こうした価値観を共有する国(インドやオーストラリアなど)との関係を深め、価値を広げていく」ことを理念としている。さらに重要なのは「武力による威嚇や武力の行使(すなわち嫌がらせや抑圧、攻撃的な行動)を認めない不戦外交」である。1月15日に閣議決定する平成24年度補正予算案には、スクランブル時に出動するF15戦闘機4機の近代化改修など約2124億円の防衛関係費や海上保安庁の領海警備体制の強化経費を計上したとされるが、アジアなどの諸国と「不戦」について共同体を形成していくことはいっそう平和と安全保障に貢献するだろう。(おわり)
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