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2013-01-20 00:00
体罰の根本的な防止策は実態を把握した上で講じるべき
金子 弘
日本学習社会学会会員
1月18日付けの本欄に玉木洋氏から「桜宮高校の入試中止要請と日本の政治状況」と題する投稿があった。問題を「日本の社会、組織の風土」の問題の一部として捉え、「反対者があっても、とにかく思い切った改革をやることが良いことだ」という日本の風潮を改めなければならないと主張し、橋本徹大阪市長による桜宮高校入試中止の要請を批判しておられる。
私は、この問題で一番大切なことは、 行われている体罰の実態の全貌をまず正確に把握することであると思う。教員による児童生徒への体罰が行われているのは、日本国内の初等中等教育学校だけにはとどまらないからである。第171回国会衆議院外務委員会議録第19号(平成21年7月1日)によると、ベトナムにあるハノイ日本人学校でも、教頭が拳で児童の頭部を数発殴る等の体罰が行われていた経緯がある。
当然であるが、当時の文部科学省大臣官房審議官は「在外日本人学校においても、教員が児童生徒に対して体罰を加えることは許されない」と答弁している。さらに「この体罰を加えていた教頭は、日本国内の公立学校からの派遣だった」とされている。つまり、大阪市立桜宮高等学校にしても、ハノイ日本人学校にしても、責任を問われているのは、体罰を行う教員の雇用主である教育委員会なのであり、日本人全体の体罰に対する意識であると考える。
したがって、文部科学省あるいは内閣府が国民の体罰に関する意識調査を新たに行って、世間一般と初等中等教育学校に通う子供を持つ保護者の体罰に対する意識の実態をまず把握すべきである。それと合わせて、文部科学省が行う体罰の全国的な実態調査の結果から、初等中等教育学校での体罰の実態を把握した上で、根本的な防止策を講じるべきであると考える。一方、体罰を行う教員の雇用主である教育委員会に対しては、その責任が明確となるよう、文部科学省がしっかりと指導、監督をすべきであるといえよう。
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