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2013-02-11 00:00
海外大学院での学位取得支援を強化すべし
金子 弘
日本学習社会学会会員
先日、文部科学省から日本人の海外留学者数が公表されたが、海外留学者数は減少傾向となっているだけでなく、その理由も明確にされていない。このような中で、アメリカへ留学している者のうち、大学院に在籍している者の割合が2006年は20.0%だったのに対して、2011年は22.1%となっており、日本人の海外留学が大学院での学位(修士号、博士号)取得を目指す方向へと進みつつある兆候が窺える。したがって、我が国のグローバル化や国際競争力の強化を図る視点に立てば、世界で最先端の研究活動を行っている海外の大学院で、学位取得を目指す者に対する支援を強化すべきであると考える。
これまで文部科学省は「留学生30万人計画」等によって、多くの外国人留学生を我が国の大学に受け入れることで、多様な国の人々と共に学ぶことが日常的となる社会の実現を図って来た。また、多くの外国人留学生を受け入れることは、我が国のことをよく知る外国人を増やすことにもなり、我が国の安全保障面での効果も期待されていることから、この政策の方向性は評価すべきである。
こうした一方で、問題なのは日本人が海外留学する際に、給付型の奨学金制度が少ないことである。そのひとつは、日本学生支援機構が実施している「留学生交流支援制度(長期派遣)」であるが、平成24年度の実績(追加募集を含む)は、前年度比61人増の91人(修士31人、博士60人)と増加傾向にあるものの、採用率(採用者数÷応募者数)は51.1%に留まっている。他方、もうひとつは、外国政府が奨学金を支給して日本人を自国に留学させる外国政府等奨学金制度であるが、これは留学先の大学をあらかじめ指定される場合があったり、留学の条件や対象が外国政府によって異なったりしている。
こうしたことから、文部科学省は世界で最先端の研究活動を行っている海外の大学院で、学位取得を目指す者に対する支援の充実を図るべきであるといえる。また、外国政府等奨学金制度については、広く国民全体に周知を徹底することで、一層の活用を促すべきであると考える。
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