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2013-03-03 00:00
(連載)TPPについての米国の見方(1)
角田 勝彦
団体役員
2月28日の施政方針演説のあと、参院選をにらんだJA全中など反対派の圧力はあるものの、安倍総理は、近く環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を表明しよう。ウルグアイ・ラウンドのときと同様、農業中心の支援金バラマキにより、おってTPP参加自体も実現しよう。TPPについては、中国包囲網結成を目的とするとの説を含む珍説奇説も唱えられているが、これが世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が事実上の交渉停止に陥っている現状を変え自由な貿易と投資を拡大する意義を持っていることを見逃してはならない。立役者の米国も、2月12日、オバマ大統領の一般教書演説で「今日の世界には危険や脅威があるだけではなく機会もあることを覚えておくべき」で、米国はTPPに加えてEUとの包括的大西洋貿易投資パートナーシップ交渉を開始すると発表した」。
戦後日本はGATTに象徴される自由貿易システムのおかげで奇跡と呼ばれた経済成長を実現した。世界も、第2次大戦前の植民地を中心とする自国経済圏依存の経済システムを放棄して戦争無き経済発展を実現した。中国経済の急成長も、2001年のWTO加盟が大きく貢献している。今後TPPの討議に際しては、国内経済の問題のみならず世界経済の発展も考慮に入れるべきであろう。
2月22日安倍総理とオバマ大統領との会談後発表された共同声明で、「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」旨明示された。
これを受けて自民党内部などで討議が重ねられたあと、28日、第二次安倍内閣発足後初めての施政方針演説で、安倍総理は「今後、政府の責任で交渉参加を判断する」旨表明した。正式な表明は先送りしつつ事実上交渉参加を明らかにしたと見られている。かって外務省に勤務した筆者は何にせよ「交渉に参加しない」という立場には賛成し難い。その意味でも交渉参加を支持するものである。(つづく)
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