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2006-11-28 00:00
過去の実績と現在の実力
大藏雄之助
評論家
それぞれの民族には独自の文化と伝統があり、それには依って来たる理由がある。言語の問題と同じで、どれが優れているとか、どれが遅れているとか、とは言えない。
わが国は四面を海に囲まれているために直接外国の影響を受けることが少なく、しかも日本語のみを使用する多数の国民が存在することによって、久しく周辺諸国を意識しないで生きてくることができた。明治の開国、第二次大戦の敗北によって、かなり西欧の基準を取り入れたが、今なおユニークな慣習が相当に残っている。
文化面で日本の独自性が最も高いものは、家元制度と襲名であろう。地位が人を作るとは言いながら、創業者の家系につながらない者が排除されるというのは、養子などの調整作用があっても、矛盾を抱えている。
もう一つは、段位制である。柔道で外国人の最高有段者はイギリスの知日家T・P・レゲット5段だったが、ヘーシンクがオリンピックで優勝して6段になるとき、講道館はそれに先だって、柔道を海外に普及させた功労者のレゲットを6段にした。彼はその後も外国人としては常に最高位を保持した。本人は「年々実力は下がっているのに、段位は上がります」と笑っていた。
囲碁・将棋の世界でもこの方式は変わらない。だから、四、五段の若手に勝てない九段がぞろぞろいる。私は囲碁3段、将棋2段の免状を持っており、今はそれぞれ一つ上の段位を申請することができるが、免状をもらうには10万円単位の金額が必要だし、免状があっても実力が伴わなければ無意味だから、そのままにしてある。
チェスではこのようなことはない。プロであれアマチュアであれ、勝てばポイントがつき、負ければポイントが減る。だからポイントは現在の実力を示している。テニスでも大きな試合ごとに並べ替えが行われて、「世界ランキング何位」ということが決まる。囲碁もヨーロッパまで広がったのだから、ポイント制にしてはどうだろうか。
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