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2013-04-03 00:00
(連載)参院選と憲法改正(1)
角田 勝彦
団体役員
夏の参院選が近づき各党の活動が活発化している。選挙の最大の争点はアベノミクスを中心とする与党の実績と将来への期待で、世論調査は与党有利に傾いている。尖閣問題や北朝鮮問題はあるが、国民の主たる関心は経済社会問題にある。日本維新の会の石原慎太郎共同代表は4月2日、参院選について「争点は憲法になる」と強調したが、少数意見である。
ただし、日本維新の会が3月30日に決定した党綱領で大幅改憲を打ち出し、参院選の目標に改憲勢力で発議に必要な3分の2以上の議席確保を掲げたのは、正攻法として認められる。方法論として正しいのみならず、焦点である集団的自衛権の行使について、憲法解釈の変更乃至「国家安全保障基本法」の制定によって可能にしようとする試み(自民党案)に比べ、はるかに上策である。昨年の衆院選の「1票の格差」を巡る17件の行政訴訟(うち比例代表1件)で各高裁は14件の「違憲」等判決を出した。一部には「選挙無効」という判決もあった。他山の石である。
憲法解釈の変更乃至「国家安全保障基本法」について、護憲勢力から予想される提訴の結果、無効の判決が下った場合、政府の責任追及のみならず、国政の大混乱は免れないだろう。正規の憲法上の手続きによる改憲も長い将来にわたり不可能になろう。夏の参院選の結果如何に関わらず、日米同盟の重要性や安保環境の変化といった、正規の手続きと関係ない「政治論」で憲法を乗り越えることは出来ないのである。なお個別自衛権の解釈により「政治論」の要求のかなりの部分を満たすことも可能であろう。憲法解釈のこれまでの歴史がこれを裏付けている。
日本維新の会は3月30日の党綱領で「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた占領憲法」を大幅に改正して「国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる」とうたった。これは改憲に慎重な勢力からの反発のみならず、他の改憲勢力からも暴走が過ぎるとの戸惑いや警戒を生んでいる。民主党は4月1日の役員会で、夏の参院選の対応を協議し、日本維新の会、みんなの両党と選挙協力を目指す方針を転換し、全選挙区で独自候補を擁立することを決めた。両党が民主党を置き去りに選挙協力を進めていることに加え、維新の3月30日決定した党綱領が大幅改憲を打ち出すなど保守色を強めたことを受け、共闘は難しいと判断したのである。(つづく)
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