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2013-05-03 00:00
(連載)歴史認識には慎重な対応を(2)
角田 勝彦
団体役員
日本側では、4月28日の参院山口選挙区補欠選挙での勝利が裏付けた高い支持率に意を強くしたのか、安倍政権の衣の下から鎧がちらつき始めた。憲法改正は別としても、当面安全運転に徹する姿勢と見られた近隣諸国との関係での強気外交への転換である。具体的には靖国問題や歴史認識、村山談話に代わる新しい談話の示唆である。
韓国紙などの安倍発言攻撃には米欧の一部から同調する意見もある。ワシントンポストは4月27日の社説で、「経済や国防などの画期的な動きで期待を集めた安倍首相が、自身のゆがんだ歴史認識のために、これまで成し遂げたすべてのことを危険にさらす」と指摘した。ウォールストリート・ジャーナルも27日、安倍首相の相次ぐ「過去への逆走」を非難した。フランスのフィガロは、「安倍首相は反動主義に変化している」と非難した。さらに、オバマ米政権は、歴史認識をめぐる安倍晋三首相の発言や閣僚の靖国神社参拝に対し、東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして、日本政府へ外交ルートで非公式に懸念を伝えているとの報道もある。
安倍首相は4月26日の衆院内閣委員会で、自らの発言について「歴史認識に関する問題が外交、政治問題化されることは望んでいない。歴史家や専門家に委ねることが適当だ」と述べた。もともと、安倍氏の「歴史認識」は第一次安倍政権の時代から、「政治家は歴史の解釈について述べるべきではない」という原則で一貫している。これに沿った正しい発言である。韓国の激しさに日本がつきあう必要は無い。「一歩引いた静観」の姿勢が望ましい。筆者にとり最近気がかりなのは、東京で少数にせよ在日韓国・朝鮮人を激しく攻撃する憎悪デモが続いていることである。日本では珍しい看過できないデモであるが、政府の態度が影響を与えている恐れもなしとしない。
現在の中心的問題は尖閣に絡む「不戦外交」には国際世論の支持が必要なことである。例えば、村山談話見直しで日本悪人論が多少でも国際世論の支持を得るのは、日本にとり得策ではあるまい。安倍内閣には発足時の初心に帰っての現実主義的な慎重な対応が期待される。(おわり)
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