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2013-07-16 00:00
(連載)対中・対韓首脳外交は参院選待ち(1)
角田 勝彦
団体役員
終盤戦に入った参院選で、アベノミクスや原発再稼働(エネルギー)など主要争点に隠れた感があるが、忘れてならないのは、外交、とくにこじれた中・韓との関係をどう改善し、再構築していけばいいかの問題である。これは北朝鮮対策上も重要な課題である。もちろんその前提として粛々と尖閣などでの防衛努力を続けるべきことがあるが、ここでは省く。
野党側は「(安倍晋三)首相はいろんな国を回ったが肝心の中国、韓国とまだ会談が行われていない」(海江田万里民主党代表)、「国際的に孤立を深めている」(小沢一郎生活の党代表)と首相批判を展開したが、首相は「全然孤立していない」と反論した。首相が就任半年間で、米国、ロシア、東南・中央アジア、中東、欧州の計13カ国を訪れたこと、韓国とは7月1日外相会談が約9カ月ぶりに開催されたこと、中国に対しても、6月谷内正太郎内閣官房参与の訪中など対話への試みはあることなどから見て、「孤立」論は当たらない。菅義偉官房長官は、7月15日酒田市の講演で「民主党政権は3年半で17カ国。安倍総理は、半年ですが13カ国。首脳外交の遅れを取り戻すために、全力で取り組んでいる」と述べた。
おそらく現在は中・韓両国とも、参院選の結果、とくに安倍政権がどのていど安定政権となるか、及びその政権が基本的方向は変えないとしても、従来の対中・対韓政策にどのていどの柔軟性を加えるか(問題を引き起こす発言や行動をあえて行うか、または控えるかを含む)を見守っているのだろう。中・韓両国は参院選後新たなアプローチを行ってくる可能性がある。この際、わが国としても軽躁な方針決定は避け、相手の行動に柔軟に対応できるようさまざまな検討を重ねておくべきだろう。
客観的に見て、流れは必ずしもわが国にとり逆流ではない。まず国際的に日本の評価は東日本大震災後高まったといえる。米民間調査機関の「ピュー・リサーチ・センター」が、今年3、4月、日中韓とフィリピン、マレーシア、インドネシア、オーストラリア、パキスタンで行った世論調査によると、対日イメージについて、フィリピン、マレーシア、インドネシア、オーストラリアでは、「好ましい」との回答が78~80%だった。他方、中国で90%、韓国で77%が「好ましくない」と答えた。わが国でも、これまで見られなかった「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」デモが問題になっており、中・韓両国とわが国の国民感情の悪化が顕著である。尖閣や歴史認識問題が絡む以上、外交面で成果が生まれれば自ずから国民感情も融和に向かうことが期待される。米国オバマ政権との関係も、次期駐日大使に故ケネディ元米大統領の娘のキャロライン・ケネディ氏が就任することが内定したことが示すように、良好と見て良い。3月に発動した米歳出の強制削減で国防費に影響が出て日本への期待が高まっているとの話もある。(つづく)
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