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2013-08-01 00:00
(連載)国を守る対外政策(1)
角田 勝彦
団体役員
参院選大勝後安倍政権が展開しつつある対外政策は、安全保障面を含め順調に進展しており、米国を含む各国の支持を概ね得ている。しかし、留意すべきは、強気のあまり偶発的に「不測の事態」を引き起こさないようにすることと、右翼路線まっしぐらとの誤解を招きかねない軽率な言動を慎むべきことである。また目下国民最大の関心事である日本経済再興の観点からも、相互依存関係が深まっている中国との関係改善に向け努力を惜しんではならない。
安倍首相は、7月25日から27日までマレーシア、シンガポール及びフィリピンを公式訪問した。参院選後初めての外遊で、1月のベトナム、タイ及びインドネシアの3か国訪問、5月のミャンマー訪問に続く3度目の東南アジア訪問である。これにより安倍首相は、就任以来、ASEAN10か国のうち7か国を訪問したことになる。訪問の目的は、経済外交の強化、地域の平和と繁栄を確保するための協力及び人的交流・文化交流の強化であったが、安倍首相は現地で「アジアを導くものは力による威圧ではない」と述べており、フィリピンへの巡視艇10隻の供与が象徴するように、対中牽制の意味もある。
なお安倍首相は、各国首脳に、憲法改正をめぐる議論の状況や集団的自衛権の行使容認に関し検討を進めていく考えも説明し、根回しを行っている。26日には、シンガポールで、アジア歴訪中のバイデン米副大統領とも会談し、急速に軍拡を続ける中国をにらみ、アジア太平洋地域での日米協力を強化することで一致している。岸田外相の7月下旬のイスラエル、パレスチナ、ヨルダン訪問を一例として、安倍内閣の閣僚を含む「地球儀外交」と称する世界各地への外交攻勢が始められている。
安全保障面では、7月9日の閣議で了承した平成25年版防衛白書に基づき、7月26日、防衛大綱(現在の大綱は民主党政権時代の2010年に作られた)の見直し中間報告が公表された。12月の閣議決定を目指している。最近も中国の海洋監視船などによる領海侵犯や日本一周、軍用機の沖縄本島と宮古島間の公海上往復飛行が行われたが、尖閣諸島周辺での中国の海洋活動の活発化を受け、離島防衛のための海兵隊機能の充実や、米軍がグアムに配備した無人偵察機グローバルホークのような「高度滞空型無人機」の導入による警戒監視態勢の強化が盛り込まれている。なお政府は、領海の範囲を設定する基点となっている約400にのぼる離島の保全にも乗り出す方針である。(つづく)
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