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2006-12-15 00:00
放送制度改革に関する「竹中懇」答申の問題点
大藏雄之助
評論家
小泉内閣の末期に竹中総務大臣の私的諮問委員会(いわゆる「竹中懇」)が放送の在り方について簡単な答申をした。NHKについては、衛星チャンネルを2~3減らして受信料を値下げし、一方で将来は受信料未納者に罰則を科することを考慮するというのが大筋で、民放に関しては事実上の複数局所有を認めるというものだった。この答申はもともと「私的」な性格のものであり、内閣も替わったので拘束力はないが、既成事実しては残るかもしれないので、その問題点を指摘しておきたい。
そもそも現行のNHKと民放の両輪体制は、2011年にアナログ放送を全面的にディジタルに変換する決定に先立って見直されるべきものだったが、NHK内部の相次ぐ不祥事とそれに伴う受信料不払いの増加および会長の引責辞任によって急遽検討が始まった。
その結果「NHKは肥大化しすぎているからチャンネルを削る」というのが、まず出てきた。しかし、多数のチャンネルを抱えている弊害が何かは明らかでない。複数の電波を活用することによって、例えば内外のスポーツの放送権を獲得する上では有利であり、チャンネルが少なくなったからといって経費が削減されるとは限らない。NHK肥大化の非を叫んでいるのは、電波新聞の発行とデータ・サービスの提供によって多大の影響を受ける新聞社とその系列の民放キー局であって、視聴者の立場からすれば必ずしもその主張には賛成できない。仮にそれが実現しても、罰則付きの受信契約の義務化には憲法上疑義がある。
当面是非とも分離すべきは海外放送であろう。BBCでもNHKでも海外放送部門はエリート・コースではない。独自の取材はできないし、意欲ある番組も作れない。海外放送はドイッチェ・ヴェレのように政府予算による独立機構が望ましい。そして、一刻も早く日本発の英語のグローバル・ニュース・ネットワークを確立すべきだ。
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