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2013-09-01 00:00
(連載)地球温暖化対策の中で、原発を見直せ(3)
角田 勝彦
団体役員
2012年末のカタール・ドーハでのCOP18は「ゲートウエー(玄関)」と名付けた合意で、同年末で約束の期限が切れる京都議定書を2020年までの8年間、第二約束期間として延長し、15年までに新たなルールを決める、という手順だけを確認した。2013年11月からのCOP19はポーランドのワルシャワで開かれる。各国は既に20年以降の新たな国際的な削減枠組みの議論に入っており、20年目標を持たない日本は国際交渉で出遅れている。経産省から「将来、電力のどのくらいの割合を原発で賄うかが定まらないのに、削減目標の議論は進められない」と慎重論が出て、国内で2020年目標の議論が進まないのである。
国内の一部には「日本政府には速やかに第二約束期間に復帰して、南北の橋渡し役になってもらいたい」との声すらあるが、主要国の動きを見ても、新枠組みに法的拘束力を持たせるのは無理で、自主的削減でやむを得ない。日本政府は2013年3月、各国が温室効果ガスの削減目標と具体的な対策を自主的に宣言する仕組みが望ましいとする文書を気候変動枠組み条約事務局に提出した。日本の場合、義務でなくても、宣言すれば公約となる。
日本は言ったことは守るからだ。例えば、2009年のCOP15では、「先進国が、10~12年の3年間で計300億ドルを拠出する」との大筋合意があり、日本は当時の鳩山首相が150億ドルの途上国支援を行うと表明していたが、2012年末までに支援が総額約174億ドルに達し、公約を達成した。鳩山首相が2009年9月22日の国連気候変動サミットで、温室効果ガス排出量を「2020年までに1990年比で25%削減する」ことを目指す中期目標を表明したのは、今回修正することになるが、これはその前の自民党麻生首相が2009年6月に表明した「2005年比15%減(国内での削減分のみが対象)」の中期目標を大幅に引き上げたもので、無理もあったほか、東日本大震災と原発事故後、原発の再稼働が進まず、電力供給を火力発電に頼っている状況があるためである。
IEAによる2012年のCO2排出量試算では、日本の排出量は2011年に比べて7千万トンの増加になっている。結論をまとめれば、日本は、原発活用も考慮して、早急に可能な限り高い目標を発表し、今後の温暖化対策への主導的役割への復活を図るべきである。(おわり)
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