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2013-09-16 00:00
東京五輪を目指して日本再生7カ年計画を立てよう
松井 啓
大学講師
2020年7月24日から2週間東京でオリンピック・パラリンピック(東京五輪)が開催されることになった。五輪がアベノミクスの第4の矢となり、その経済波及効果は3兆円ともはじかれ、砂糖に群がる蟻のように色々な思惑が動き始めている。ここで立ち止まって、そもそも何のために五輪を招致するのかを考えてみたい。第1回目の1964年東京五輪では、戦後19年にして復興した日本を世界に示そうと、国民一丸となって努力した。新幹線や首都高速等の交通インフラも整備され、またテレビなどの家電が急速に普及し、その後の日本の経済発展に繋がった。
それから56年後の第2回目の東京五輪は、成熟国家のモデルを提示する良い機会とすべきであろう。その2年前の2018年は明治維新から150周年に当たる。今からの5年間を「日本再生」、その2年後の東京五輪を「新生日本」のそれぞれ元年とすべく、7カ年計画を立てて、国民の知恵とエネルギーを結集し、実現してはどうだろうか。そのための課題は山積しているが、最優先事項は福島原発の安全性を確保することである。安倍首相自ら五輪開催地決定の最終プレゼンに臨み、衆目の中で「汚染水漏れは制御されている」と宣言したからには、「嘘も方便であった」との言い訳は国際社会では通用しない。遅きには失したものの、当事者能力のない東電任せではなく、国が前面に出てきたのは良いとしても、早急に結果を出し、国際社会に発信すべきである。これは今後の原子力発電所の「輸出」にもかかわる。
次に、2020年には国と地方の基礎財政収支プライマリーバランスを均衡させることが、一種の国際約束になっている。一方、65歳以上の人口が全人口の25%に達し、今後も少子高齢化が続く。この過程での経済社会政策の舵取りは、長期的見通しに基づくものでなければならない。さらに、交通インフラは中央・地方を問わず経年疲労を起こしており、そのリハビリと都市景観の改善(瑣末なことかもしれないが日本橋を覆っている高速道路を是非撤去してもらいたい)を望みたい。機能のみを追求するのではなく、自然との共生も重視して欲しい。
さらに3点を希望したい。まず配慮すべきは、東京一極集中ではなく日本全体がバランス良く発展することである。特に大震災に見舞われた福島県等と日本の安全を陰ながら支えている沖縄に対する配慮は欠かせない。また、パラリンピックが開かれるのを好機会として、バリアフリーの更なる導入や、身障者や高齢者に優しい環境やスポーツ参加制度を整備する必要がある。第3に、人的資源の開発のため、教育の制度・内容の再検討、国際社会で通用する人材(特に青年)の育成を努めるとともに、内なる国際化を進め、差別意識の払拭、人種の違いにとらわれず優越感や劣等感無く外国人と等身大で付き合えるように啓発する必要がある。最後に、日本の歴史、文化に誇りを持ち、自然との共生を重んじた日本的生き方をアジア諸国、更には世界に提示できれば、日本は「国際社会において名誉ある地位を占める」(日本国憲法)ことができよう。
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