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2013-09-17 00:00
(連載)国際的多数派の形成に努力を(1)
鍋嶋 敬三
評論家
尖閣諸島の「国有化」から9月11日で1年になる。そして18日は満州事変(1931年)の発端を作った柳条湖事件から82周年に当たる。中国の公船は、日本の領海に1年間で63回侵入し、日本の防空識別圏には中国軍の無人機が飛来し、日本への圧力をさらに強めている。武力による威嚇は軍事衝突の危険を高めるものであり、日本として看過できない。
この1年の中国の動きを見ると、武力を背景に日本をたじろがせることに腐心してきた。領土問題で歴史的事実を自分に都合のよいようにねじ曲げ、日本が第2次大戦後の国際秩序を変えようとしていると喧伝し、事態の悪化と解決の責任を日本に押し付けることで一貫している。米国との対決に備えて、日米同盟にくさびを打ち込む深謀遠慮も働いている。
オバマ米大統領は9月5日、安倍晋三首相との会談で「力による解決を目指すいかなる取り組みにも反対する」方針を改めて鮮明にした。一方、中国の習近平国家主席は同日、安倍首相が求めた立ち話の際「日本は歴史を正視し、釣魚島(尖閣諸島の中国名)など敏感な問題を正しく処理するよう」求めた(新華社報道)。中国の言う「正しく処理」とは尖閣問題の「棚上げ」など中国の領有権主張を認める対応であり、問題解決にならない要求である。
安倍首相は、第1次政権の2006年訪中で認め合った「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻ろうと対話を呼び掛けたが、中国はドアを閉ざしたままだ。事態の打開は、中国が大局に立って互恵関係を復活させる意思があるかどうかにかかっている。アジアでの覇権を目指し、オバマ政権の「アジア太平洋リバランス(再均衡)戦略」を揺さぶる材料に尖閣問題を利用しようという戦術に固執すれば、大局を見失うことになろう。(つづく)
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