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2013-09-22 00:00
2020年東京オリンピック決定について
船田 元
元経済企画庁長官
去る9月8日、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスで開催されたIOC総会で、2020年の東京オリンピック開催が決定した。福島原発の汚染水問題が影響を及ぼしかねないといわれた中、堂々の勝ちっぷりだった。現地での日本のプレゼンテーションは、大変力がこもっていたし、安倍総理が背水の陣で出席したことなどが、勝因として考えられる。前回の東京オリンピックは1964年、私が小学校5年生の時だった。今から49年も前のことで、日本の高度成長にエネルギーを与えた。東海道新幹線、東京モノレール、多くの営団地下鉄、首都高速道路の開通など、日本の近代インフラが、次々と開通した。子ども心にも、日本の躍動を感じるに十分な出来事だった。
今度の東京オリンピックは、バブル崩壊後20年近くにわたって苦しんだデフレからの脱却を、確実なものにする効果が期待されている。しかし私はもっと多くのことを、オリンピックの開催にあたって期待したい。まずはオリンピックの前に、安倍総理が公約した原発汚染水の完全処理と、原発事故の完全収束を実現することである。東電任せの対応を転換して、政府が全責任を持って収束させるべきである。これが国際公約だ。
次は、東日本大震災からの復興を、目に見える形で世界に示すことである。今回の東京誘致成功の背景には、「大震災から復興せよ」という国際世論が存在することを、決して忘れてはいけない。次は、社会インフラの整備を進めることである。前回のオリンピックでは、前述のように新しいインフラが次々と誕生したが、今回は新設は程々にして、老朽化激しいインフラの修繕に、全力を尽くすべきである。
最後に、国民レベルでスポーツを一層振興することだ。国が造った「ナショナルトレーニングセンター」は、トップアスリートの競技力向上に、大いに貢献したといわれる。勿論開催国として、メダルを沢山獲ることは大事だが、スポーツの底辺を拡大すること、具体的には地域のスポーツクラブを、もっともっと充実することに、力を注ぐべきである。2020東京オリンピックに対して、盛り沢山の期待をかけてしまったが、それだけのエネルギーをオリンピックという大イベントは持っているはずだ。49年前に見た夢を、私は66歳でもう一度見てみたい。またそうなるよう努力したい。
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