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2013-10-16 00:00
(連載)日韓両国の議連の行動に期待する(2)
角田 勝彦
団体役員
この意味で、安倍首相が、9月26日の国連総会一般討論演説などで、余計な弁明をせず、紛争下の性的暴力反対を含む女性支援(今後3年間で30億ドルを超すODAの実施を含む)を表明したことは賢明であった。歴史認識については、10月17日から20日まで行われる靖国神社の秋季例大祭に合わせた参拝を行うか否かが注目されているが、同様の成熟した判断を行うことを期待する。
韓国側は、9月27日に尹炳世外相が 国連総会の一般討論演説で 従軍慰安婦問題を念頭に被害者への誠意ある対応を求めたのに続き、10月11日に趙允旋女性家族相が国連総会第3委員会(人権)で、責任を負う(日本)政府が謝罪し、法的責任を認めるよう求めた。趙女性家族相は、かつて10万人を超えた被害者が現在56人にまで減り、平均年齢が88歳に達したと述べ、「犯罪の証言者がいなくなるのを待っているのであれば、大きな誤りだ」と日本の対応を非難した。梅本和義・国連次席大使は、答弁権を行使して反論し、日本政府がこれまで「深い後悔と心からの謝罪」を表明してきたことを強調し、さらに慰安婦問題は法的に解決済みであることに加え、「アジア女性基金」を通じて元慰安婦の支援をしていることを訴えた。
流れは必ずしも不可逆ではない。日韓両国は、10月10日から11日まで韓国南方沖で日米韓による海難救助の合同訓練を行った仲なのである。10月7日、京都地裁が「在日特権を許さない市民の会」が朝鮮学校周辺で繰り広げた街宣活動を「人種差別に該当する」と判決したことも、日韓融和に役立つだろう。米国でも今年7月に韓国以外で初めて「慰安婦」の像を設置した米カリフォルニア州グレンデール市のウィーバー市長が、「像の設置は間違っていた」と発言し、反響を呼んでいる。
11月末の両国議連の合同総会では、北朝鮮の核問題、東京電力福島第一原子力発電所事故、2015年の日韓国交正常化50周年行事、18年の韓国・平昌ピョンチャン冬季五輪と20年の東京五輪開催に向けた協力などが議題に決定された由であるが、従軍慰安婦問題は正式の議題でなくて良い。無理に正式の妥協を図るより、政治の叡智により時の助けも得て、事態の沈静化を待つのが良策だろう。(おわり)
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