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2013-10-21 00:00
ヨーロッパの智慧としての憲法裁判所
船田 元
元経済企画庁長官
9月中旬に約10日間、衆議院憲法審査会海外派遣により、ドイツ、チェコ、イタリアを訪問してきた。ドイツ、チェコではいずれも、たまたま下院議員(ドイツでは連邦議会議員)の選挙に遭遇したが、ドイツではキリスト教民主社会同盟が圧倒的に強く、帰国して直ぐに投票された結果は、メルケル首相の3選を肯定するものだった。
ところでこの3ヵ国はもとより、ヨーロッパの多くの国で「憲法裁判所」が古くから設置されている。これは憲法判断を第三者的な機関でジャッジするという、「憲法の番人」とも言える役割を持つ。その裁判官の選び方は様々で、大統領が選んだり、議会が選んだり、そのミックスであったりと多様である。選ばれる人は一般の裁判官や法学者など、法曹界の人間が多い。
憲法裁判所に持ち込まれる案件は、一般の裁判所から具体的な裁判に伴って、違憲の疑いがないかを判断するケース。もう一つは、議会や国民から持ち込まれ、新しい法律や制度が憲法に抵触していないかどうか、抽象的に判断するケースである。まだ日本には馴染みのない制度で、日本では最高裁判所が違憲判断をすることになっている。しかし最高裁判所はなかなか違憲の判決を行わず、多くは「統治行為に触れない」として、門前払いをしているのが実情だ。
ヨーロッパでは憲法裁判所が頻繁に憲法判断を行っているが、政治的案件にも勇気をもって乗り込んでいる。ただそれが実現し、その結果を国民が広く受け止めるには、国民の間で憲法裁判所の存在が信頼されていることが、とても大事なことと感じられた。現行憲法にもなく、自民党の新憲法草案にもない「憲法裁判所」だが、憲法を国民のために働かせるためには、また憲法保障を確実にするためには、この「ヨーロッパの智慧」を活用してみてはどうだろうか。
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