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2013-11-04 00:00
アメリカでも「ねじれ議会」
船田 元
元経済企画庁長官
我が国ではしばらくの間、衆議院と参議院の多数勢力が異なり、法律が通らなかったり、予算成立が難航したりする、いわゆる「ねじれ国会」に悩まされた。「決められない政治」の元凶でもあった。しかし昨年暮れの衆議院総選挙と今夏の参議院通常選挙を経て、ようやく「ねじれ」が解消し、両院とも自民・公明の連立与党が多数を占めることとなった。「決められる国会」が誕生して、初めての本格的な臨時国会がスタートしたが、アベノミクスをより強くするための成長戦略、いわゆる「三本目の矢」に関わる法案が目白押しだ。短い会期だが、目に見える成果を出さなければならない。
ところでこの「ねじれ国会」に、今アメリカが悩まされている。オバマ大統領が率いる民主党は、連邦議会上院では多数を占めるが、下院では共和党の方が多い。また下院の共和党若手は、反オバマの社会運動ともなった、保守派「ティーパーティー」の強力な支援を受けている。
オバマ大統領は念願の医療保険改革法案(オバマケア)を議会に提出しているが、これに反発する共和党は、連邦債務発行限度額引き上げに強硬に反対した。これが議会を通らないと、連邦政府の資金繰りが厳しくなり、政府機関の閉鎖や、債務不履行(デフォルト)にさえ陥りかねない。そうなれば世界経済はリーマンショック以上のダメージを被ることになる。
そうなれば日本だってアベノミクスどころではなくなる訳で、各国はアメリカ連邦議会に、冷静に事態を収束することを、強く望んだ。タイムリミットと言われる10月17日を目前にして、ようやく上院で妥協案が合意され、下院共和党もそれを容認する動きが出てきた。世界の市場もホッとしたところだ。議会が二院制をとっている国は少なくない。常に「ねじれ」の危険性を孕んでいるわけだが、その対応策で妙案と言えるものは見当たらない。一院制にしてしまえば簡単だが、いきなりというわけには行くまい。ここしばらくは日本も含め、二院制の弊害を取り除く努力をしなければならない。
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