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2013-11-26 00:00
(連載)グローバル人材育成の道開けるか(2)
鍋嶋 敬三
評論家
「留学生30万人計画」では「優秀な留学生を戦略的に獲得」することをうたった。東南アジアのマレーシアで12月14,15両日、日本留学フェアが開かれ、日本の大学27校(うち国立大学15校)と日本語学校8校が参加する。しかし、海外の留学生の最も優秀な層は米国や欧州を目指す。レベルの高い留学生を日本の大学が集めるには、英語だけで単位や学位が取れるよう十分な能力を備えた優秀な研究者、教員と教育環境が欠かせない。「30万人計画」の大きな柱として「大学のグローバル化の推進」を掲げているが、国立大学を見ても「国際的な教育研究拠点作り」には道遠しの感がある。政府による戦略的支援が不可欠である。
グローバル化推進のため、国際バカロレア(IB)制度の積極的な活用を政府の教育再生実行会議が「大学入試選抜の在り方」についての第4次提言(2013年10月31日)の中で提案している。IBはスイスのジュネーブに本部を置くIB 機構が実施、そのディプロマ・プログラム(DP)は国際的に通用する大学入学資格(IB)を取得でき、世界の主要大学で入学選考に広く活用されている。政府の提言でも「大学はIB資格の積極的な活用を図る」と明記した。IBは「グローバル人材育成の有力なツールの一つ」とされ、世界で2453校がIBDP認定校とされるが、日本では18校しかない。一部日本語でも実施できる日本語DPの開発・導入に今年度から着手する。
英語が日常使われているシンガポールやマレーシア(いずれも旧英国植民地)では、多民族が集まるインターナショナル・スクール(インター校)への海外からの入学が盛んだ。英語で授業が行われるインター校ではIB制度が整っていることも大きな理由である。そこから米英、カナダ、欧州や地理的に近いオーストラリア、ニュージーランドの有力大学を目指す。
教育熱心で知られる韓国の高校生がマレーシアのインター校からハーバード、エールなど世界のトップ大学に入学を果たしている。夫を本国において母子留学するケースもあるほどだ。日本では再興戦略に基づいてIB認定校を5年後には200校にすることを目標に掲げている。しかし、その前提となるIB教員の養成などは一朝一夕にはできない。「笛吹けど踊らず」になっては、海外のインター校を目指す動きが加速するかもしれない。(おわり)
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