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2013-12-13 00:00
(連載)特定秘密保護法成立から集団的自衛権行使容認へ(1)
角田 勝彦
団体役員、元大使
衆参のねじれ解消後初の本格的国会は、11月27日の国家安全保障会議(日本版NSC)法成立に続き12月6日の特定秘密保護法成立など安倍首相持論の安保面の法整備を一歩進めて12月8日閉幕した。特定秘密保護法成立後の内閣支持率は10ポイントほど低下したが、強気に傾いている首相は、中国の防空識別圏設定などに鑑み、安倍カラーをさらに打ち出していく意向のようである。外交努力や防衛予算増(次期中期防は離島防衛などで3期ぶりの増)など安全保障の実体強化は妥当であるが、(安倍首相みずから神学論争という)集団的自衛権行使容認への道は容易ではない。
この第185臨時国会では、政府が新規に提出した法案23本のうち20本が成立し、成立率は87%となった(7本が成立した継続審議分を含めた成立率も87%)。臨時国会では、それぞれ2007年秋招集、2004年秋招集の国会以来の高水準だった。民主党政権下の2012年秋の臨時国会(50%)に比べると37ポイントの上昇である。昨年12月末の第2次政権発足以来、最優先に掲げてきた経済再生に関しても産業競争力強化法や国土強靭化基本法など重要法が成立しているが、注目を浴びたのは安保面の法整備、とくに情報漏洩対策を強化する特定秘密保護法だった。
安倍首相が世論の反対が強い特定秘密保護法の成立にこだわったのは、秘密保全体制を整えて海外からの情報収集力を強め、12月4日に外交・安保政策の司令塔として発足(事務局は来年1月に始動)した国家安全保障会議の効果を上げるためである。中核になるのは、首相、外相、防衛相、官房長官の「四大臣会合」で、年内にまとめる国家安全保障戦略や防衛計画の大綱を議論する。当面の懸案は中国への対処だろう。
特定秘密保護法成立後の内閣支持率はどの社の世論調査でもほぼ10ポイント低下し、50%前後となったが、安倍首相は、リスクを冒しても、さらに安倍カラーを打ち出す機会を狙っているようである。今後の政策課題の本丸は集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更(及び将来の憲法改正)だろう。(つづく)
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