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2013-12-30 00:00
(連載)安倍総理の靖国参拝を考える(3)
平林 博
日本国際フォーラム副理事長
総理への批判の問題は、靖国参拝を批判する中韓の日本批判に「塩を送る」ものが多いことである。首脳会談の拒否ほか、理不尽な態度をとっている両国の政府やマスコミをもっと批判した上の安倍批判であればより説得力を増すだろうが、そうではない。また、米国が「失望した」などと批判していることを鬼の首をとったように論ずる向きもあるが、それで日米同盟が揺らぐことはないであろう。折から、安倍総理の大英断と米国の理解により、普天間基地の移転など沖縄に対する画期的な措置が発表され、仲井真知事が名護市の海岸埋め立てに同意したところだ。
ただ、米国政府は、不快感を伝えるのであれば、ケネディー大使が外務大臣に電話で伝えるか、声明を外務省に届ければよく、一方的に声明を公表したのは、同盟国としての配慮に欠いたものであったと言わざるを得ない。このようなことに対しては、きちんと米側に言わないと、繰り返しが起こる可能性がある。なぜなら、現在のオバマ政権は、小泉時代のブッシュ政権とは大違いだし、クリントン夫人が国務長官として外交を指揮していた第1次オバマ政権とも異なる。勿論、中国に対し厳しい傾向のある米国議会とも異なる。中国による日米関係へのクサビの打ち込みの余地を与えないことが必要だが、米国に対しては繰り返し丁寧に発信し、説明して行く必要がある。
現在のオバマ政権は、中国が「世界をG2で支配する」と言っても反発することはなく、対中融和的である。シリアやイランに対する優柔不断を見るにつけても、今後が心配である。このような米国に対しては、日本の主張をしっかりと伝えることである。現に、中国や韓国は、米国政府や地方政府に対し、言いたいことをし、やりたいことをしている。わが国はもっと品位を持つ必要はあるが、主張すべきは主張しないと、国際社会では馬鹿と見られるか、不利益を蒙るか、どちらかだ。
いずれにしても、わが国の外交は、新年になっても苦難が続きそうである。こういう時こそ、国民はできるだけ団結する必要がある。「外交は内政の延長」「国内の争いは水際まで」とは、昔から言われる強い外交の基本条件である。国力が強いことも必要であり、アベノミクスなど経済政策に最重点を置いて、国力の増大と国民福祉の向上に努めてもらいたい。同時に、新年度の予算や沖縄対策ではっきり出てきたが、わが国を守るための自衛隊、海上保安庁の充実、米軍基地の効率化などを粛々と実施して行くべきであろう。今回の安倍総理の靖国参拝への賛否は、国民各人の判断が異なるであろうが、わが国の国益のためには国民の団結が今こそ必要と考える。(注)本稿は平林の個人的見解であり、組織としての日本国際フォーラムの見解を代表するものではない。(おわり)
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