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2014-01-12 00:00
個人情報保護法の解釈をより正しく、柔軟に
船田 元
元経済企画庁長官
個人情報保護法が施行されて以来、学校などではクラスの名簿が、なかなか作れないといった事態が起きている。親の中には自宅や電話番号を知られたくないとして、名簿記載を拒むケースが増えているからだ。緊急連絡網の作成もままならず、子供たちの安全確保に黄色信号が点滅している。
問題は災害の現場でも発生している。災害時に保護を必要としている人がどこに住んでいるのか、農村部では比較的明らかだ。しかし都会の状況は人間同士の付き合いが薄い上、個人情報保護法のお陰で、災害時要援護者のリストすら作成出来ない状況だ。助かるはずの命が助からないことがあってはいけない。
さらに医療の現場でも、患者の名前や病名が十分に開示されないことで、患者さんを取り違えたり、治療法を誤ったり、医療スタッフがヒヤリとするケースが後を立たないという。また新しい治療方法を研究する際にも、遺伝子情報の開示が出来ないことで、障害があるということも聞く。
個人情報については、法の趣旨に照らせば、それを収集した目的外に使用することは禁じられるべきだが、今は「どのような目的であっても、個人情報は使うべきではない」という、行き過ぎた解釈が蔓延しているように思う。本人の同意は当然必要不可欠だが、個人情報を過剰に守りすぎる態度は、人々の安全や安心を守れなかったり、地域社会の絆を切断したりしかねない。もう少し個人情報保護法の解釈を正しく、そして柔軟に行うべきではないだろうか。
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