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2014-02-10 00:00
日本も、国際テレビ放送英語版を立ち上げよ
松井 啓
大学講師・元大使
「韓国は早く品格ある大人になって欲しい」と題した本論壇への筆者の11月13日付け投稿で、筆者は「日韓両国は、中露と隣接し、北朝鮮を抱え、米と同盟関係にある、いわば一種の運命共同体である。中米露のバランスが不安定化し、東アジア情勢が流動化する中で、日韓は、これ以上いがみ合いを続けるのではなく、協力関係を強化しなければならない。韓国は歴史認識の蒸し返しを止め、早く品格ある一人前の大人になって欲しい」と希望した。
しかしながら、韓国はその後も嫌がらせの愉快犯的な反日キャンペーンを国際社会に展開してきている。旧日本軍が韓国婦人を性奴隷として20万人強制連行したとの喧伝は功を奏し、ついに米国カリフォルニア州グレンデール市近郊の公園内に「慰安婦像」が設立され、仏国際漫画際には韓国の「性奴隷」をテーマにした作品が出展され、それに合わせて署名活動もなされたと報じられている。更に、米国バージニア州州議会では、公立学校の教科書に日本海の呼称に韓国が長年働きかけてきた「東海」を併記する法案が成立する方向であり、これに勢いづいた韓国系団体は全米50州の全公立学校の教科書に「東海」併記を実現することを目標としている由である。韓国では、海外での慰安婦宣伝は愛国的美談と報じられ、日本を非難することで愛国主義を高揚させている由である。
「嘘でも百回繰り返せば本当になる」とは西欧の諺である。国際社会では反論しなければ非を認めたこと、謝れば損害賠償を請求されるのが常識であり、日本流の「沈黙は金」「以心伝心」「思いやり」「互譲互敬」は通用しないどころか、弱さの表れと受け止められている。対日非難・攻撃が韓国内の政権基盤強化のためのものであれば、日本が譲歩や沈黙をすれば勢いに乗って益々嵩にかかって来よう。韓国や中国の対日攻勢に対し、事なかれ主義でやり過ごそうとしては禍根を残すことになる。幸い日本も、国連、英国、米国、豪州などで日本大使等が積極的に反論するようになったのは頼もしいが、政府、学者、在外韓国系住民等を動員した韓国の組織的キャンペーンやロビー活動に対抗するには、まだまだ虚弱である。諜報活動やプロパガンダは軍事力にも勝る働きをすることは、冷戦時代に証明済みであるが、民主主義の時代には広報宣伝活動は選挙民及び議会議員、NPOに大きな影響を与える。
2020年に東京五輪を控えている今こそ、日本はソフトパワーの発信強化のため中央官庁を一元的に束ねた広報戦略を検討し、国際的な活動展開の抜本的な拡充・強化を図る必要がある。これは新設された国家安全保障局の課題としても良いであろう。政府の英文ホームページ、NHKの英語国際放送、在外公館の広報活動等を積極的に活用し、韓国慰安婦20万人説、南京虐殺30万人説や一方的領土要求等につき、歴史的根拠と事実に基づき冷静に論駁し、国際社会に訴えて行くべきである。更に、英国のBBC放送のような国際テレビ放送の英語版を早急に立ち上げ、日本の目を通した国際情勢の解説、日本の立場やニュースの発信をしていくべきである。日本は、中国や韓国に遅れを取るようなことがあってはならない。
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