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2014-02-17 00:00
「リケジョ」の力と小保方晴子さん
船田 元
元経済企画庁長官
「リケジョ」と呼ばれる人々のことをご存知だろうか。最近注目されはじめた「理科系女子」の研究者や学生のことを指すようだ。この言葉を一躍有名にしたのが、独立研究法人「理化学研究所」の小保方晴子さんである。小保方さんは、細胞の初期化に関する研究を続ける中で、たまたまガラス細管を通した細胞の幾つかに、初期化した細胞を発見した。これにヒントを得て、細胞に何らかのストレスを与えることが、初期化を起こし、万能細胞に変える原因かも知れないと考えた。 ストレスの種類を変えて実験するうちに、弱酸性の溶液に浸すことによって、安定的に細胞の初期化が起こることを突き止めた。
しかしこれは従来の生物学の常識からは考えにくいことだったので、英国の科学専門誌「ネイチャー」に投稿したところ、「科学を冒涜するもの」と酷評されて、掲載を拒否された。しかしここからが小保方さんの偉いところで、決してめげることなく、更なる客観データを集めて何度も何度も同誌に働き掛けたところ、やっとのことで掲載されることになり、「STAP細胞」発見という今回の大騒ぎに繋がった。
細胞の初期化といえば、ノーベル賞を受賞したiPS細胞の山中伸弥教授が記憶に新しいところだが、更なる検証が進めば、STAP細胞の方が製造方法から言っても、ガン化の危険性の少なさから言っても、iPS細胞を超えるのではないかとさえ言われる。
なぜこのような大発見が、小保方さんによって成し遂げられたのか。偶然の成せる技だったかもしれないが、それを見逃さず、丹念に裏付けを取って行った小保方さんの努力によるところが大きい。研究室では白衣でなく割烹着を着て、壁や実験器具をカラフルにするなど、型破りで柔軟な発想をする小保方さんのライフスタイルそのものが、大発見に繋がったと言ってもいいのではないか。今後の我が国の科学技術やイノベーションを考えた時、重厚長大なナショナルプロジェクトだけでなく、小保方さんのような柔軟で繊細な、「リケジョ」の力を発揮させる環境を整備することも、大切なことではないだろうか。
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