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2014-03-18 00:00
集団的自衛権の行使容認と積極的平和主義
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
安倍内閣による集団的自衛権の行使容認に関して、いろいろな方が意見を述べられていますので、私も意見を述べさせていただきます。私見では、集団的自衛権行使の容認の本質は、日本が戦前のような単独防衛主義、一国軍事行動主義を完全に塗り替え、米国を中心とする国際社会の一員になることの証明ではないでしょうか。これに反対するリベラリストを称する人々は、やれ「米国の言いなりになるな」とか、やれ「地球の裏側まで行って、戦争をするのか」などと言っていますが、それは「戦前のような単独外交・一国防衛主義に回帰せよ」と言っているのと同じではないでしょうか。
土台、「平和を守る」とは、何もしないことではなく、「平和」とは、それを如何に確保して行くかの日夜の努力なくして維持できないものです。朝日・毎日といったマスメディアが何故、リベラルを装って、単独防衛主義の戦前回帰を求めるのか理解に苦しみます。
日本は、過去の過ちを正すための手段として、国際社会での孤立状態から米国中心の国際社会に復帰したのであって、集団自衛権問題の本質はそこにあると考えます。なぜ、マスメディアや評論家はこのことを言わないのか不思議です。何もしないで世界や日本の平和を維持することはできません。一国単独平和主義を堅持することは不可能です。スイスのように国民皆兵制又は徴兵制を敷く覚悟があれば別ですが、今の日本人にはその覚悟はなさそうです。
世界には紛争地域が多数あります。日本人はこれらの地域の抱える諸問題に目を瞑っていてはいけないと思いますが、そのために「日本が世界をリードする」などと大それたことを言う必要はありません。戦後70年間の平和国家としての実績を世界にアピールしつつ、平和を望む世界の世論と手を携えて、これまで以上に世界平和への貢献を強化する用意のあることを、表明しようではありませんか。そのために必要なのが、集団的自衛権の行使容認であり、それが日本国際フォーラムの政策提言である「積極的平和主義」の原点でもあるのではないでしょうか。
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