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2014-05-01 00:00
韓国の悲劇について思う
船田 元
元経済企画庁長官
韓国の大型フェリー・セウォル(歳月)号が珍島沖で沈没してから、一週間以上が経過した。現場の海では必死の救助・捜索活動が続いているが、死者は200名に届こうとしており、不明者も100名近く残っている。あるいは船内のエアポケットに生存者がいるのではという望みも、残念ながらゼロに近づきつつある。心から哀悼の意を表したい。
ところで今回の事故の原因追求が盛んに行われているが、人為的な要素が強くなっている。日本から買った後の客室増築や、車輌やコンテナの制限を遥かに超えた過積載、さらには遅れを取り戻そうと、スタビライザーである船底のバラスト水を抜いてしまったことなど、起こるべくして起こった事故としか言いようがない。
さらに最後まで残るべき船長が、一般人に紛れて真っ先に救助されたり、乗組員が適切な誘導をせず、救助が後手後手に回ってしまったことが、被害を拡大させたと言われている。政府が民間ダイバーによる救助活動をなかなか許可しなかったとも言われるが、真偽のほどは分からない。
この事故を受けて、韓国国内では様々な反省の言葉が交わされている。儲け至上主義で、安全を後回しにする風潮がいけないとか、学校の点数主義が行き過ぎて、物事を全体で捉える能力が落ちてしまったなどである。この事故を契機として、韓国国民がしっかりと検証し、二度とこのような事故を起こさないことが、犠牲者へのせめてもの償いではないだろうか。
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