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2014-07-27 00:00
(連載1)安倍総理の中南米歴訪を評価する
角田 勝彦
団体役員、元大使
安倍総理は7月25日から8月4日の予定でメキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジルの中南米5カ国を訪問している。 約70人の企業首脳らの同行が示すように主目的は経済関係強化であるが、国連での協力関係構築などの政治的目的もある。直前の習主席の中南米歴訪が示すように中南米に急接近中の中国を牽制する狙いもあろう。33カ国からなるこの地域の重要性が、我が国で十分に認識されていない嫌いがある。
我が国と各国のバイの関係、アジアと中南米の地域的関係、さらに中国と米国を含む世界との関係のいずれにおいても、日本の総理が10年ぶりに中南米を公式訪問し、関係を深めるともに、日本の存在を示そうとしていることは高く評価される。なお「地球俯瞰外交」を掲げる安倍総理の訪問国数は9月に歴代首相でトップとなるが、この努力も評価したい。
中南米33カ国は、人口6億人、GDP5.8兆ドル(ASEANの2.5倍)、世界有数の資源供給元で、2004年以降、ほぼ年4~6%の安定成長を続けている。例えば自動車生産はASEANの倍以上のグローバルな製造拠点である。日米欧大手との取引で技術を磨き、メキシコ、ブラジルからアジアに進出する車部品会社も出てきた。鉄道・都市交通・港湾・エネルギー等各面での大型インフラ需要もある。日本はアジア最大(世界第4位)の中南米投資国である。約178万人、世界最大の日系人ネットワークが存在する中南米は、伝統的に親日的である。進出企業も増えている。
安倍総理は、出発に先立ち、「しっかりトップセールスを行う意味で、6億人の人口を擁する中南米という新たな地平線を切り開いていきたい」と語った。輸出重視である。資源外交でもある。メキシコやブラジルとの間で、石油・天然ガス開発に協力することで合意する予定である。コロンビアでは経済連携協定(EPA)交渉を行うほか、チリでも環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結を目指す方針を確認しよう。(つづく)
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