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2007-01-15 00:00
連載投稿(2)イラク攻撃の真意はイスラエル保護にあらず
今野泰三
日本国際フォーラム研究助手
さらに、1970年代にはパレスチナ問題が中東の最大の課題として認識され始め、1982年のレバノン侵攻とサブラ・シャティーラの大虐殺をきっかけにイスラエルは国際的な非難を浴び、それを支援する米国への嫌悪感も中東地域で高まりました。その頃から、米国の対中東政策は中東地域での反米意識を高めるようなイスラエルの単独行動を制限するとともに、パレスチナ問題を解決することで中東における反米意識を解消し、イラン、シリアなどの反米的な中東諸国とイスラーム主義者の支持基盤を奪うことに重点が置かれるようになりました。この米国の対中東政策の転換は、米国の歴代政権のパレスチナ和平への積極的な関与と、湾岸戦争やイランの核疑惑が生じた際に経済・軍事支援を通してイスラエルの行動を米国が制限しようとしたことからも明らかです。
以上のように、1970年代以降米国とイスラエルの関係は「米国に必要なイスラエル」から「イスラエルに必要な米国」に逆転しました。つまり、イスラエルが占領政策によって世界中から非難されているにも関わらず米国がイスラエルを支持し続けるのは、イスラエルの米国への依存を維持するためであって、イデオロギー的なイスラエル保護が目的ではないのです。よって、イスラエル保護はイラク攻撃の真の要因ではないと私は思います。(つづく)
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