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2014-08-22 00:00
朝日新聞には世界の一流紙に脱皮して欲しい
松井 啓
大学講師、元大使
朝日新聞は8月5日及び6日の両日「慰安婦」問題に関する特集を掲げ、これまでの同紙の「従軍慰安婦」記事のもととなった「吉田清治証言」が捏造であったことを認めた。その後、他紙や各方面からの批判や論評に対して、朝日新聞はまじめに反応することを期待していたが、何故か沈黙を守ったままであるので、敢えて本欄に私の考えるところを投稿することとした。
「過ちを改めるに、遅すぎることはない」とは言え、朝日新聞の記事により32年の間に日本軍の「セックス・スレイブ(性的奴隷)」の用語がつくられ、隣国に利用されて国際的に報じられたことにより、日本の国及び国民の名誉が受けた傷の深さは計り知れない。「朝日ほどの大新聞」が報じているから本当だろうと、この嘘がまかり通ったことを、朝日新聞は十分に自覚すべきである。アメリカでは数州の議会で女性に対する日本の「蛮行」を非難する決議が採択されたり、記念像や記念碑が建てられ、これからも増えると報じられており、国連人権理事会でも非難され続けてきている。
日頃報道の自由や知る権利を主張し、一流報道機関を自認している朝日新聞であれば、「32年前には調査や資料が十分ではなく、他の新聞も同じような過ちをしていた」などと言い訳がましいことで逃げずに、諸もろの批判に正面から答えるべきではないか。それが、朝日新聞の責務であり、矜持であろう。朝日新聞は原発事故の対応や核エネルギー政策については「原子力村」の隠蔽性、集団無責任体制を容赦なく追及してきているが、朝日新聞が正義の味方を自認するからにはこの「虚報事件」の「告白」を契機として、大企業「朝日村」内部の言論の自由を開放し、その隠蔽体質や集団無責任体制を自浄すべきではないか。それをしてこそ、朝日は世界の一流紙に脱皮できるであろう。
まず、国内でもう一度各種の質問や批判に対して正面から回答して欲しい。更に、執拗に反日機運を煽っている韓国、中国の報道機関、更にそれらに利用されているアメリカの州議会や国連人権理事会に「従軍」も「慰安婦」も事実ではなかったことを明確に伝えて、採択された諸決議は事実誤認に基づくもので「性的奴隷」なる用語は使用すべきではなく、誤った情報に基づいた決議や記念碑(像)は意味が無いことを申し入れるべきであろう。これなくしては朝日新聞は日本の一流報道機関としての国際的信頼を得ることは到底できないであろう。これは朝日新聞自身のためだけではなく日本の国と国民のためでもあることを認識して欲しい。
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