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2014-10-03 00:00
(連載2)ウクライナを巡る森喜朗元首相のモスクワ発言に強い懸念
袴田 茂樹
日本国際フォーラム評議員
しかし、森氏は日本にはウクライナ問題に関わる資格、つまりウクライナ問題でロシアを批判する資格はないと言う。ウクライナが独立した主権国家である以上、ロシアによる力による主権侵害は、国際法上も到底許容できない。国連総会で世界の100カ国が、ロシアのクリミア併合を批判したのも、これを批判しなければ、国際秩序が成り立たなくなると認識からだ。しかし森氏の発言は、ウクライナ問題をロシアの内政ととらえていることを意味する。換言すれば、ロシアの支配権を認めていることを意味する。
また、ロシアのウクライナへの主権侵害批判ではなく、「EUがウクライナを反ロシア戦線に巻き込んでロシアを叩く、これではノーベル賞が泣く」と、日本政府やEUの対露政策とは真逆の見解を述べている。信じられない発言である。
私の観点からすると、8月の北方領土での軍事演習や9月のイワノフ大統領府長官の北方領土訪問、ショイグ国防相の訪問発表などに見られるように、プーチン政権が北方領土問題で日本に譲歩する可能性はほとんどない。しかしそのことに幻想を抱いて、森氏は日本と欧米の分断策に乗せられているとしか思えない。
森氏の訪露は個人的とはいえ、プーチン大統領とも会って安倍首相の親書を手渡している。日本外務省はこの森発言でEU諸国が日本の対露政策に反発しないよう、懸命な努力をしている。今でも日本の対露政策に一定の影響力を有している森氏のこのようなEU観やロシア認識が、今日どのようにして形成されているのか、関心を抱かざるを得ない。(おわり)
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