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2014-10-07 00:00
プーチン大統領の訪日は「日本次第」とロシア側が強調
飯島 一孝
ジャーナリスト
今秋に予定されているプーチン露大統領の訪日は困難との見方が広がっているが、ロシア外交関係者は「年内の訪日が実現するかどうかは日本側次第だ」との見方を示した。さらに、首脳会談の前提とされる日露外相会談について「外相会談を凍結しているのは事実上日本側だ。日本が会談を提案すればロシアはすぐ行う」と述べ、日本政府に早期決断を促した。日露双方とも早急に首脳会談を行いたいという点で一致していることは、9月21日に行われた安倍首相とプーチン大統領との電話協議で確認済みだ。ただ、その前に定例的に行われる外相会談の日程が合わないことが、ギクシャクする直接の原因になっている。そのいい例が9月下旬に行われるはずだったニューヨークでの外相会談だ。
安倍首相はプーチン大統領との電話協議で、プーチン氏の訪日に代わるものとして11月のAPEC首脳会議(北京)で首脳会談を行うことを提案した。ちょうど国連総会出席のため、岸田、ラブロフ両外相ともニューヨークに滞在していたので、日本側は直ちに日程調整などの外相会談を行うつもりだった。だが、日本のメディアは日本政府への取材を元に、ロシアは「日程が合わない」との理由で外相会談を拒否したと報道した。しかも、日本がウクライナ紛争に関して追加制裁の発動に踏み切ることを見越し、ロシアが日本をけん制するために拒否したと解説していた。
ところが、ロシア外交関係者は「(外相会談を)断ってはいない。ラブロフ外相の日程がきつかった上、岸田外相も日程上余裕がなく、会談は結局実現しなかった」と語った。さらに、日露関係の重要性について「日本はG7の一員だが、露日関係は相互利益をもたらすもので、エネルギーや食料などの分野で十分協力出来る余地がある」と強調した。ちょうどこの時期に、イワノフ露大統領府長官が北方領土の択捉島を訪問した。ロシアの要人が北方領土を訪問するのは約2年ぶりだったので、日本では「なぜこの時期に」と、ロシア側の意図を疑問視する声が強まった。だが、ロシア外交関係者は「要人訪問は日露平和条約交渉とは全く関係ない。ロシアの領土訪問と条約交渉を結びつけてとらえるのは、日本のマスコミの伝統だ」と一蹴した。
ここで明確になってくるのは、ロシア側が「露日関係は米欧との関係とは別」と考え、「露日関係を今の状態に落としたのは日本側である」と見ていることだ。ロシアは日本と他のG7諸国との仲を裂こうとしていると勘ぐれないこともない。だが、その一方でロシア側は、日本とロシアとは海を隔てて最も近い隣国であり、切っても切れない関係にあることを力説している。日本には「遠くの親戚より近くの他人」ということわざもある。親戚との関係に気兼ねして近隣の住人を軽視したら、いざという時困るのは我々自身ではないだろうか。
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