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2014-10-19 00:00
火山列島に対する備えを早急に整備すべき
船田 元
元経済企画庁長官
去る9月27日、突然木曽の御嶽山が噴火した。紅葉シーズンで多くの登山者が集まる正午頃だったため、噴石の直撃によって、犠牲者が増えてしまった。雲仙普賢岳の火砕流災害による犠牲者数を抜いて、戦後最悪の数字になってしまった。犠牲者の方々や負傷者の方々に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたい。
御嶽山は有史以来比較的穏やかだったが、1979年と2008年に中・小規模の噴火を起こしてきた。いずれも地中のマグマが放出するのでなく、地下水がマグマによって熱せられて噴き出す、水蒸気爆発と呼ばれるタイプだ。にもかかわらず、噴煙は10kmの高さに達し、小型自動車ほどの岩がいとも簡単に吹き上げられるのだから、自然の力は計り知れない。
犠牲者の多くがこの噴石の直撃を、頭や首に受けてしまったからたまらない。噴石を遮る屋根や建物も至近にはなかったようだ。今から考えると、噴火予知は出来なかったのか悔やまれる。火山性微動が数日前から続いていたようだが、噴火に結びつけるほどの兆候ではなかったという。山体が膨張する異変も、噴火するわずか10分前に観測されたので、打つ手が限られていたと思われる。
100個ほどある我が国の火山のうち、常時観測する態勢にあるのが、その半分程度と言われる。しかし火山は過去に噴火した形跡を残しており、いずれ起き上がるという前提で付き合わなければなるまい。尊い犠牲を無駄にしないためにも、監視体制の強化を急ぎ、「国土強靱化計画」の重点ポイントにすべきではないか。
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