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2014-10-22 00:00
(連載1)再生エネルギーの固定価格買取制度は極めて厳しい
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)をめぐり、太陽光による電力の急増により送電設備の容量を上回ったり、周波数の乱れが生じたりして、大規模停電などの怖れがあるとして、大手電力10社のうち、中部、北陸、中国以外の7社が、受け入れを中断あるいは制限する事態となっている。これを受け経産省は、制度の見直しに着手した。民主党前政権が導入したFITは、太陽光による電力の買取価格が異常に高い(当初40~42円/kWh、現在32~37円/kWh)値に設定されていたことから、制度の持続可能性に強い疑問が出されていた。それが、2年目にして早くも現実のものとなったということであり、見直しは当然のことである。
見直しの内容は、各種報道等を総合すると、次のようなことが検討されているようである。
・太陽光による電力の価格を大幅に下げ、地熱などを相対的に優遇する。
・地熱発電による電力を優先的に買い取らせる。
・大規模太陽光発電につき、FIT適用のための認定を一時停止する。
・太陽光発電への新規参入や発電施設の新増設の凍結。
・買取価格に入札制度を導入する。
・電力会社が再生可能エネルギーによる電力を受け入れなくてもよい期間を延長する(現在は30日)。
全体として、不安定な太陽光による電力を抑制し、安定的な地熱発電による電力を拡大する方向である。それ自体は、妥当な方向性である。日本のFIT制度が崩壊したのは、上述の通り、太陽光偏重が原因だが、とりわけ「メガソーラー」を優遇するような買取価格を設定した点が問題であった。2012年度の買取価格を見てみると、太陽光は、10kW以上が40円+税、10kW未満は42円であった。これに対し、風力は20kWを境に、大規模側は22円+税、小規模側は55円+税、地熱は1万5000kWを境に、大規模側は26円+税、小規模側は40円+税などとなっていた。大規模太陽光発電による電力の優遇ぶりが如何に極端かよくわかる。
再生可能エネルギーによる電力には、規模が大きいほどコストが安くなる、いわゆる「規模の経済」が働くから、こういう買取価格設定は、全く合理性を欠く。メガソーラーの過剰な参入により、現在のような問題が起こったのには、こういう背景があり、真っ先に対応しなければならない。(つづく)
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