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2014-12-22 00:00
(連載1)ミアシャイマー教授の攻撃的現実主義と台頭する中国
坂本 正弘
日本国際フォーラム上席研究員
ジョン・ミアシャイマー・シカゴ大学教授は12月11日来日し、日本国際フォーラム、明治大学、西シドニー大学およびグローバル・フォーラム共催の日・アジア太平洋対話「パワー・トランジションの中のアジア太平洋:何極の時代なのか」を皮切りに、同志社大学、NSC、外務省、防衛省、東京財団フォーラムでの討論後、日本国際フォーラムの「外交円卓懇談会」で活発な意見交換後、12月20日離日した。その強烈な個性と「攻撃的現実主義」と呼ばれるリアリズムで日本を揺さぶったが、国際摩擦を強める中国に対し、理論面から日米同盟の強化を主張する点で、極めて有意義だった。伊藤剛明治大学教授と共に、教授の招聘を主導した小生としては、大きな満足であった。
ミアシャイマー教授の理論は、国際システムの基本について、(1)国際政治システムは国家を構成要素とするアナキーである、(2)すべての国家は攻撃的軍事力を持つ、(3)国家は他国の意図(特に将来の意図)を知ることができない、(4)国家は生存のため覇権を目指す、の4点を指摘する。だが、国家にとって直ちに世界覇権を獲得することは無理なので、とりあえずは地域覇権の獲得を目指す。地域覇権を獲得すると、国家は、その地域での行動の自由を確保し、他の地域にも干渉し、そこでの覇権国の出現を防ぐものとされる。
米国は、1823年のモンロー・ドクトリン以来、西半球で地域覇権を握ることに専念し、20世紀初頭これを実現した。以来、他の地域で覇権を目指すドイツ帝国、日本帝国、ナチスドイツ、ソビエト連邦と闘い、これらを倒した。中国は、現在米国の行動を招いているが、その将来は恐るべきものだ。人口は、香港、台湾を含めると米国の4倍あり、米国とほぼ同規模だったソ連と比べると、その衝撃は遥かに大きい。中国は、アジアで日本、インド、ロシヤに勝ち、影響力の大きい米国を追い出し、いずれアジアで地域覇権を樹立することを目指している。
アジアは今や世界で最も重要な地域である。米国は中国とアジアの覇権を分割するつもりはなく、中国の覇権を阻止する必要がある。多くのアジア諸国にとっても、中国は脅威だが、これら諸国は分裂状態にあり、中国に対抗出来るためには、米国の主導が必須である。日米同盟はその核であり、日本は通常兵力を充実し、米国と共に中国への関与を強め、アジア諸国の軍事力の醸成に寄与すべきである。(つづく)
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